「ゲームやサブカルは“学びの種”」――カルチベートされた人間を目指すグラビアアイドル・吉田早希のルーツを探る

グラビアアイドル・吉田早希のルーツを探る

日本で初めて『Oculus Rift』の開発者キットを手に入れた日本人女性・吉田早希

――ゲーム好き、サブカル好きだからこそ体験した思い出深いエピソードは?

吉田:じつは、VRヘッドセット『Oculus Rift』のデベロッパーキット(発者向けのキット)である、『Oculus Rift DK1』を日本女性で初めて手に入れたのが私なんですよ。

 以前から、ナムコ・ワンダーエッグ(※4)のような近未来を感じるテーマパーク空間が家にあればなあと、思っていたのですが(笑)……そんななか『Oculus Rift DK1』がリリースされて、「これはイメージ的にも近未来っぽくてナムコ・ワンダーエッグを感じるぞ!」と、すぐに買ったんです。

(※4)ナムコ・ワンダーエッグ……当時のナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)が、東京・二子玉川で運営していたテーマパーク。2000年12月31日に閉園。

 買ったはいいのですが、開発者向けの機器なので『Oculus Rift DK1』に繋ぐパソコンが必要だったんですよ。けれど、当時の私はハイスペックのパソコンなんて持っていなくて(笑)。

 そこで、G-Tune(※5)さんに『Oculus Rift DK1』が動くパソコンを協賛していただき、さらに私の水着グラビアが楽しめるVRコンテンツも一緒に作らせていただいたんです。

(※5)G-Tune……マウスコンピューターが取り扱うゲーミングPCブランド。

 そのVRコンテンツを、「Oculus VR」の創業者のひとりであるパルマー・ラッキーさんにお送りしたら、「なんて日本はクールなんだ! 次世代型の『Oculus Rift DK2』は日本へ優先的に出荷させるね!」とおっしゃってくださったんです。

 実際にパルマー・ラッキーさんは、日本で開催された開発者セミナー「Unite Japan 2014」で来日された際、『Oculus Rift DK2』の日本への優先出荷を公言されていて……。

 “歴史を変えた”というと大げさですが、「少しはVR業界の盛り上がりに関与できたのかな?」「楽しませて頂いているOculusに少しは恩返しができたのかな?」と、嬉しくなった思い出深いエピソードでした。

 それともうひとつ。とある雑誌のグラビア企画で、「私の休日」というテーマの撮影があったんですね。

 そもそも先方さんがイメージしていたのは、「ニンテンドースイッチを持って遊んでいるような、ちょっとラグジュアリーな感じ」というテーマだったんです。

 もちろん、ニンテンドースイッチでもいいのですが「もう少し、面白くしたいな」と思って、友だちに「ATARI LYNX」(※6)を借りて、それをグラビア撮影の小物として使用させていただいたんです。

(※6)ATARI LYNX……アタリコープ社が1989年に発売した携帯用ゲーム機。「ゲームボーイ」と同じ年に発売された携帯型ゲーム機ながら、カラー液晶画面にバックライトを搭載していた。

 「ATARI LYNX」が写り込んでいる写真が使われるかどうかは、実際に雑誌がリリースされるまでわからなかったのですが、発売された雑誌には、きちんと「ATARI LYNX」も映り込んでいて!

 たぶん私が、日本(世界?)で初めて、“商業誌のグラビアにATARI LYNXを使ったグラドル”になるのでは! ……と勝手に思っています(笑)。

 やっぱり私、「日本初」や「世界初」という枕詞が好きみたいです(笑)!

――最後に。ご自身にとってゲームとはどのような存在ですか?

吉田:そうですねえ……私にとってゲーム(やサブカル)は、“学びの種”ですかね。

 ゲームをプレイして、そこから学ぶこともたくさんありますが、もっと広くは、ゲーム雑誌などでクリエイターさんのインタビューを読むのも好きなんです。そのようなゲームを作っている方々のお話から、刺激を受けたり、何かを教わることも非常に多いです。

 誰かの言葉や考え方が、“自分の畑を耕す肥料”になるんですよね。

 太宰治の『正義と微笑』という作品のなかに、すごい好きな一節があるんです。

「日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。~(中略)~ 学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。~(中略)~ その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」

 というフレーズなのですが……カルチベート(cultivate)とは“耕す、ほぐす”という英単語ですけど、“(才能などを)磨く、高める”といった意味合いもあるそうです。

 まさに、「これこれ、この一節!」って共感しまくりなんですけど、私がこれまでに学んだゲームやサブカルなどの知識が肥料となって、“真にカルチベートされた人間”になれればいいな、と日々感じています!

■吉田早希 関連リンク
Twitter:https://twitter.com/yoshida_saki
Instaram:https://www.instagram.com/mt_yoshida/
プロフィール(株式会社 PPエンタープライズ):https://ppe.jp/talent/saki-yoshida/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる