「待ってました」の声多数! LUMIXの新世代旗艦機『S1RII』にフルサイズデジカメユーザーがザワつく理由

LUMIXの新世代旗艦機にユーザーがザワつく理由

初代から6年を経て、ついに新世代機がリングイン!

「LUMIXのフルサイズは様子見していたけど『これなら決めた』という方々の嬉しい手ごたえを感じています!」と語るのはLUMIXのコミュニケーション拠点「LUMIX BASE TOKYO」の坂本維賢マネージャー。

「LUMIX BASE TOKYO」坂本維賢マネージャー。

 2008年発売の「G1」以降マイクロフォーサーズ(以下M43)フォーマットを貫いてきたLUMIXが、突如2019年にM43比センサー面積4倍となるフルサイズ機『S1』『S1R』(※)を発売したのはデジカメ界にとっての衝撃だった。ラウンドがかった従来機のフォルムと異なるマッシブな造形についても、期待と驚きの声が寄せられたものだ。それから6年。待望の新世代機、入場!

(※)撮像センサーの異なる兄弟機。「S1」が2420万画素、「S1R」は4730万画素。共に2019年発売。

 「初代ユーザーのみなさまには"お待たせしました!”。迷われている方には”これでどうだ!”という新世代旗艦機が『S1R II』です!」とは同商品企画担当の粟飯原(あいはら)雅之氏。どうやら、その出来には相当な自信をおもちのようで!?

漢字使いが珍しい「粟飯原」姓は徳島由来だとか。
ちなみに好きな撮影被写体は自然や野鳥とか。「S1RIIでみなさんのフォト&ムービー趣味をもっと充実させてみませんか!」

誰が何といっても「スモール・イズ・ビューティフル」!

 初代からの進化点でもっとも目に付くのは、その小ささだ。

 実は初代の登場時、「性能もいいしデザインもいい。でもボディが大きすぎる……」という声が多かった。昭和を知るカメラマンなら「フラッグシップとはそういうものだ!」と受け入れるだろうが、もはや令和である。“となりの車が小さく見える”“デカいが正義”は今は昔。同じ性能ならより小さく軽いほうがいい! ボディの縦×横×高さの体積は約79%、質量は約78%にダウンというのだから、すさまじいダイエットだ。

 「初代の信頼性を小型軽量ボディに凝縮すべくリデザインしました。モードダイヤルひとつとっても、ロック機構と小型化と両立させるために新たな機構を開発するなど、工夫を凝らしています。また、グリップや操作系を犠牲としない、小型化と操作性を両立させる開発を徹底しました。加えて今回新たに「シャッター閉幕システム」を搭載しております。これにより、屋外でのレンズ交換や撮影でもより安心して行って頂けます」と粟飯原氏。なるほど、6年をかけ、ユーザーの声を解きほぐしたわけだ。

デザインコンセプトは「ULTIMATE HYBRID」

垂線、平行線、円で構成されたスタイリングも、すでに見慣れたLUMIXらしさだ。

 「初代開発時のデザイン・アイデンティティを『S1RII』でも継承しています。具体的には水平垂直と円を基調にした端正なフォルムやヘキサゴンフェイス(光軸中心と結んだ正面LUMIXロゴの部分のデザイン名)に顕著に現れています。またデザインコンセプトとして『ULTIMATE HYBRID』というキーワードを掲げて『静止画と動画とも最高のパフォーマンスを発揮できる、究極のハイブリッドミラーレスカメラ』を目指しました。これを実現するために、静止画・動画・S&Q切り換えスイッチを新搭載。各種ボタン等の操作性、グリップ、チルトフリーアングルなどに工夫を凝らしています。ぜひお手に取って実感ください!(粟飯原氏)

初代より可動範囲が広がったチルトフリー液晶は、マイクやSSDなどアクセサリーを装着する動画ユーザーにとって使い勝手の向上をもたらす。静止画と動画を瞬時に切り替えるダイヤルを新設。

 肝心要の画像表現の向上については言わずもがなだが、初代ですら高評価だったものを、「もっと!」上げていくハードルは高かったはずだ。

 「LUMIXは機種、グレードを問わず統一した絵作り思想をかかげており「S1RII」も初代の絵作り思想を踏襲しております。 今回採用した新開発センサーと最新世代エンジンによって細部まで高精細な表現が可能となり、特に高画素機で不得意される高感度帯でも被写体のディティール描写は保ちつつも、ノイズ量を抑えた自然な描写ができるのです!」と胸を張る粟飯原氏。そこで発表会場の大判ポスターを凝視すると思わず吸い込まれそうになった。「ハイレゾモード」1億7700万画素の超高精細がもたらす“二次元における立体感”が、そう感じさせたのだ。

発表会場となったLUMIX BASE TOKYOに展示された大判プリント。思わず吸い込まれそうになる高精細!

 静止画と動画を極めようとする「S1RII」ゆえ、連写速度、AF性能、手ブレ補正、LUMIX初の8K動画、防塵防滴タフネスボディ、プロに応える効率的なワークフローなど、全身これ進化の塊であるのは当然。ちょっと面白いのは新搭載「ハイブリッドズーム」で、従来から「クロップズーム」の名称で2倍、4倍のトリミング撮影ができたが、これをズームレンズ全域でシームレスに使えるのだ。「あ、もっと大きく撮っておきたい!」という咄嗟に役立つ「あったらいいね!」な機能といえる。

撮影機械のもっとも多い人物瞳、顔の認識精度が飛躍的にアップ。横顔、手やマイクなどで顔が隠されていても認識する!

 最後に価格の話。オープン設定ながら、ボディ単体で税込47万5000円前後。24~105レンズキットで同59万4000円前後。ゆえに業務用途ユーザーが半数以上7割程度を占める見込みだが、自然風景、野生動物、静物など細密さが求められるジャンルのほか、モータースポーツ撮影に挑むハイアマチュアも少なくない。新機能のうち、自動認識の対象に「自転車」が追加され不思議に感じていたのだが「実はヨーロッパは自転車競技が盛んで撮影機会も多くあります。その現地の声に応えた新機能と言えます」と坂本マネージャーが教えてくれた。

動きものに対応する追尾AFモードも進化。対象被写体に自転車が追加された。

 すでに値段を記しているが、実は初代『S1R』の発売時実勢価格とほとんど変わらない、もしくはすこし下がってすらいることをあえて明記しておく。スペックはアップ! サイズ(とお値段)はダウン! これ最高じゃない!?

〇商品情報
https://panasonic.jp/dc/c-db/products/DC-S1RM2.html

〇参考情報
LUMIX BASE TOKYO
東京都港区南青山2丁目11-17第一法規ビル1F

レタッチなしでも大満足! 小さなボディなのに本格派のフルサイズミラーレス『LUMIX S9』と九州旅

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