アウディ初の旗艦的クロスオーバー 『Q8e-tron』『Q8Sportback』はクーペとワゴンの良いとこ取り?
アウディ初のEVモデル『e-tron/e-tron Sportback』が今回大幅にアップデートされた。その後継モデルにはアウディのフラッグシップモデルQ8のネーミングが与えられ、電動SUV、クロスオーバーモデルの頂点になった。今夏発売予定のモデル概要をご紹介しよう。
8のネーミングが与えられたBEV
アウディジャパンは同ブランド初のEVモデル『e-tron/e-tron Sportback(以下スポーツバック)』を大幅にアップデートした。それに伴いモデル名にはQ8を付け、電動SUV/クロスオーバーラインアップの旗艦モデルとして発表。発表された『Q8e-tron/スポーツバックe-tron』はBEVらしく開口部の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新しいデザインを採用する。余談だがスポーツバックはアウディ独自の呼び名で、クーペを彷彿させるスポーツカーらしいデザインとアバント(ワゴン)のような広いラゲッジスペースを持つモデルのこと。
EVでもクワトロ
『Q8 e-tron』はツインモーターの4WDを採用、EVでもアウディの代名詞「クワトロ」は健在だ。そのラインナップはバッテリーの容量が異なる50と55の2つ。前者は95kWh容量のバッテリーを搭載し、最高出力250kW、最大トルク664Nmのスペックを持つ「Q8 50 e-tron quattro S line」になる。後者の方はバッテリー容量114kWhで300kW/664Nmを誇る「Q8 55 e-tron quattro S line」とスポーツバックのモデルが追加される。発売は今夏予定だが、高性能車として人気のSモデルの発売に関しては第4四半期以降となっている。価格帯は1099万円から1317万円。
より向上した走行距離と充電性能
今回の50と55の2つのグレードだがいずれも旧e-tronよりも一充電あたりの走行距離は伸びている。前者で424km(従来比+89km)、後者で501km(従来比+78km)。いずれもWLTCモード。これは従来のバッテリー製造工程で生まれる電極材の隙間をスタッキング方式と呼ばれる、折り重ねるように配置する方法に変更。その隙間を極力なくすことでエネルギー密度が向上したことによる。充電方法は両モデルとも150kWまでの急速充電に対応する。これはアウディジャパンがポルシェジャパン、フォルクワーゲンジャパンと事業展開中のプレミアムチャージアライアンス(3メーカーであれば3メーカーの150kW充電器が使用可能)を利用可能だ。
アウディの電動化戦略
アウディは既知の通り2026年以降に登場する新型車はすべて電動化し、2033年以降は販売される全モデルが電気自動車にする計画(中国は除く)を発表している。また2025年までには全手のアウディの工場をカーボンニュートラルにする計画もある。日本では本稿でも紹介したアウディ浜松がいち早くカーボンニュートラルなディーラーになっている。もちろん充電インフラの整備も進んでおり、2023年には全国のアウディe-tron店に設置されている急速充電器を150kW対応のものに置き換え、全国でそれを102基に増やしている最中だ。EVのアキレス腱、充電時間。これが短くなれば選択肢にEVが加わるのは間違いない。アウディの
BEVに注目だ。
◎参考情報
アウディ
https://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html
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