にじさんじ所属エクス・アルビオがお笑いから学んだこと “特大トロール”すらも愛される、真面目で愉快な英雄

エクス・アルビオが“お笑いから学んだこと”

 明朗快活で社交性も高いエクス・アルビオ。実は若干の人見知り気質で、それ故に丁寧口調を欠かさないという一面もあるが、いちど距離感を掴むと持ち前のトークでバッチリと場を盛り上げてくれる。

 にじさんじの同僚やファンから知られているエビオ流トーク術でもっとも有名なものといえば、「エビオ構文」であろう。

 「エビオ構文」とは、彼独特の言い回しで発せられる内容で、リスナーに向けて賛同したり肯定的内容を話したかと思えば、断りなく否定的かつ文脈に関係ない話しを盛り込むというものだ。いわゆる「手のひら返し」といわれるものだが、彼の場合どこまで意識的・無意識的に発したのかがほとんど判断がつかないこともあり、天然ボケな側面が強い。

 にじさんじのスタッフからもよく認知されており、にじさんじ公式チャンネルにおいて、とある時期までの有名な構文をまとめた切り抜き動画が制作されたり、公式番組「にじクイ」の栄えある初回配信でも問題として出題されるほどでもある。

【手のひら返し】エビオ構文 総集編【エクス・アルビオ まとめ】【にじさんじ / 公式切り抜き / VTuber 】

 おもわず聞き流してしまいそうになるが、よくよく考えれば明らかに矛盾した内容を事も無げに発していくことで、リスナーもツッコミのコメントを打ちやすく、その後に切り抜き動画などで知った人にも笑ってもらえるというエビオ構文。あまりにもテキトーな返事をしてしまうため、「エビオには虚言癖がある」とまで言い切る同僚もいるほどだ。

 ツッコまれても後に引きずることは少なく、カラっと笑って次へ次へと話題を進めていくのも、エクスの特長だ。正論で詰められてもうまくはぐらかし、一般常識にまつわる話題や日常会話からひょうきんな小ボケを生みだしたり、かと思えば「知っていて当然では?」と思える話題を本当に知らないからと「それなに? 知らない」と聞き返して会話を広げようとする。

 こういった会話のやりとりの節々から、彼のコミュニケーション上手・付き合い上手な一面が見出せる。声が大きく、通りやすい声質であることもあってか、調子のいい(人の気を引くのが上手い)人物としてリスナーや同業者から好かれているのだ。実際インパルス・板倉俊之は2~3度ほどしかエクスとコラボしていないが、「何が何でも褒めてくれる」とエクスを評しており、褒め上手な一面が印象深く残ったようだ。

 また、パっと言葉を発したり返事ができる反射神経・反応力は、生配信というリアルタイムで行く末を見守るリアリティショーにおいてはとても重要であろう。しかも「エビオ構文」ともいわれるようなおかしな応対も挟むのだから、エクスがどんなボケをしてくるのか? と期待して見てしまう節もある。

 そんなエクス本人はかなりのお笑い好きということでファンの間でも知られている。

 インパルス・板倉に関しても「5年ほど前に岡山のイオンで握手してもらったことがある」と話しており、地方巡業やイベントにも足を運ぶようなタイプのお笑い好きであることが分かる。

 それだけでなく、配信中に様々なお笑い芸人のネタを口にすることも多く、なかでもジャルジャルの話題をあげることは多い。これは、ジャルジャルがYouTubeチャンネルを通して毎日ネタ動画を投稿していることも、話題にあげやすい一因ではあるだろう。

 2020年10月14日の雑談配信で配信用の新背景をリスナーにお披露目した際、「白背景に木箱が2つだけ」というあまりにもシンプルすぎる背景にリスナーから驚きの声があがり、あることに気付いた一部のリスナーからは「ジャルジャルじゃないか!」というコメントが数多く届くことになった。そう、この日お披露目された新背景はジャルジャルのコント動画でよく見る「アレ」と酷似しているのだ。

 ちなみにこの背景、パッと見では写真のようにも見えるが、実際はエクスのビジュアルを手がけたイラストレーター・ケースワベによって描かれた立派な「イラスト」である。

【雑談】いろいろ話してなかったこと全部話す奴【にじさんじ /エクス・アルビオ】
『すでに他で内定もらってるから、就活、適当な奴』ジャルジャルのネタのタネ【JARUJARUTOWER】

 配信が続くかぎり見られる屈託ない笑顔・ひょうきんさ・小ボケの数々は、エクスがお笑い芸人から学んだ「お笑いのマナー・テンション」なのかもしれない。そんな彼だからこそ、自身やリスナーも驚きのタイミングで「笑いの神」に愛されることが多い。

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