男性トップVTuber・葛葉、トーク力・体力を兼ね備えた“配信モンスター”の魅力に迫る

男性トップVTuber・葛葉の魅力に迫る

 バーチャルタレント事務所大手のにじさんじでは、数か月に一度に大規模なバラエティ企画を催してきた。その中でも指折りに大きく視聴者を集めているのが『にじさんじ甲子園』だ。

 昨年の決勝リーグでは最大同時視聴者数が約20万人近くを数えていた同企画は、つい先日にじさんじ甲子園 2021夏』を開催し、3回に渡って配信された予選・本戦の配信では約14万人前後の視聴者をあつめ、決勝戦では昨年と同じ約20万人の同時視聴者数を誇っていた。

 同企画に参加したにじさんじのライバーに、男性VTuberでもっともYouTubeチャンネル登録者数をもつ男がいた。2018年3月から個人として活動を開始し、同年7月からにじさんじライバーとして活動してきた葛葉だ。

 葛葉を知るうえで重要となるのが、彼の配信スタイル・配信内容だ。外でのリアルイベントなどで忙しい時期以外はほぼ毎日欠かさず生配信をし、そのどれもが6時間前後、時には10時間以上にも渡って配信しつづけることもある。

 時間帯も21時や23時頃からスタートし、配信を終える頃には朝の4時をとっくに回っているという流れだ。盟友ともいえようにじさんじライバーの叶と共に、「深夜に配信をするVTuber」といえば彼の名前は必ずあがるだろう。

 長時間に渡ってゲームプレイをすれば、ときにはダレる時間が起きてしまうこともあるが、葛葉は1度の配信のなかでFPS・格ゲーなどを中心にプレイしても、集中力とゲームセンスの高さで視聴者を楽しませる。

 葛葉が特筆すべきなのは、オタク知識を中心にした雑学の引き出しの多さに加え、ゲーム内の対戦プレイヤーやゲーム内の様々なギミックなどを奔放にイジリ倒し、ボケもツッコミもこなしていくトーク術で視聴者を飽きさせないことにある。配信時間が10時間を超えてもそのクオリティが落ちないのが素晴らしい。

 一言一言の言葉遣いやお笑い芸人めいた会話劇に至るまで、彼の言語センスが感じられる瞬間が多々ある。例えば下記のようなもの。

「ソリ」(Sorry:ソーリーのこと)
「逃げんの?」と煽られて「は?やんのか?」「逃げるわけねぇだろ!」と返す流れ

 こういった流れや言葉は、彼が最初に始めたではないにしろ、広まっていくきっかけになった部分は否めないだろう。これに加えて、コメント欄への返事、コラボしたVTuberにも尖った返事や煽りで笑いに誘うことも多々ある。

「バーカ!ニートだよ!」(みんな今日お仕事ないんですか?というコメントに対し)
「Life is ぴえん」(ARK配信中のテイム時に)

 上からマウント、下から関節技、会話のプロレス芸を仕掛け続け、葛葉は視聴者を楽しませる。こういった彼の煽りトークや独特なパンチラインは枚挙に暇がない。彼に関連する切り抜き動画の数々はこの影響下にあるといえよう。

 一度の配信のなかでFPS・格ゲーを中心に様々にプレイしても衰えない集中力とゲームセンス、「葛葉語録」が作られるレベルで語感・語呂の良さを活かすようなトーク力、この2つが長時間に渡っても途切れない体力。そんな彼について、同業者からは「配信モンスター」とも言われることもあるが、もはや畏敬が込められた表現だといえよう。

 だが彼の“キレ〇”なトークも、にじさんじ内のライバーや彼と親しい配信者に限られており、まったくの初対面の相手にはアタフタと対応をつづけてまったく会話が弾まないというのも面白い。初対面の相手のために「会話デッキ(会話用の話題)」をいくら考えても、会話の歯切れが悪くなり、いつもの配信では考えられないような「奥手な葛葉」が姿を見せてしまう。自身を「陰キャ」だと自嘲することもあるが、それがウソでもなんでもなく本当のことだと気づかせてくれるようだ。

 にじさんじ内で組まれた「ド葛本社(ドーラ、葛葉、本間ひまわり、社築)」では、彼が「甘噛みの狂犬」と茶化されることもあったが、ばこのイメージはいまでも彼の性格やスタイルを表しているように思える。

 数年に渡って長く濃い配信をつづけ、独特のトーク術を養って来た彼のもとには徐々にファンが増え始め、2020年の1年間でYouTube登録者数がほぼ倍増。通常配信では2万人前後の視聴者をつねに集めており、登録者は1日に1000人以上加わるペースで、大台となる100万人は時間の問題となっている。



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