新製品、アプリがそれぞれ初お披露目 広瀬すず、緑黄色社会も登壇した富士フイルム「INSTAX“チェキ”新製品発表会」レポート
3月8日、東京・表参道にて富士フイルム「INSTAX“チェキ”新製品発表会」が開催された。本発表会にはゲストとして広瀬すずと緑黄色社会が登場、トークセッションやチェキ体験、CMソングのライブなどがおこなわれた。
富士フイルムの「チェキ」シリーズといえば、いつでもどこでも簡単に撮影・印刷ができる手軽さと、インスタントカメラ特有の味わいのある色味や、アナログならではのレトロ感が人気を博すロングセラー製品。この日発表されたのは「チェキ」ブランドのエントリーモデル『INSTAX mini』シリーズの最新機種、『INSTAX mini 12』と、チェキをスマホでスキャンしてデジタルデータとして保管することが可能な『INSTAX UP!』の2つだ。
発表にあたって富士フイルムホールディングスの代表取締役社長CEO・後藤氏は、グループ全体とイメージング事業の両方が好調であるとした上で、発売25周年を迎えた「チェキ」ブランドにおいて「アナログのチェキプリントにデジタルをかけ合わせ、さらなる体験を加えていく」とコメントした。
『INSTAX mini 12』登場 カメラ初心者に嬉しい「クローズアップモード」を搭載したエントリーモデル
最初に発表された『INSTAX mini 12(以下、mini 12)』は、前機種『INSTAX mini11』の後継として登場し、デザイン・機能ともに進化を遂げている。デザイン面では、前機種と比較してもより丸みを帯びたデザインになり、風船のようにふんわりとしたシルエットに仕上がっている。ちょっとした催し物や友人との集まりで活躍するチェキならではの、「楽しい」をそのまま形にしたような、良い意味でおもちゃ感、ホビー感を感じさせてくれる手に取りやすいデザインだ。
カラー展開は「ミントグリーン」「ブロッサムピンク」「パステルブルー」「ライラックパープル」「クレイホワイト」の5色。前機種のブラックに近いカラーである「チャコールグレー」が無くなり、代わりにグリーンが追加された。前機種と比較すると、全体的により淡い色合いになっており、柔らかな印象を受ける。同時に発売される専用カメラケース、ミニフィルム用アルバムも同じカラーリングでの展開だ。
そうしたデザイン面での「手に取りやすさ」にくわえて、機能面でもエントリー層にうれしい進化を遂げている。それが「クローズアップモード」だ。この機能は、接写撮影時におけるファインダーから見える視野と実際のレンズが写す範囲の"ズレ"を防止するというもの。被写体をしっかり写真のセンターに収めたいときに機能をオンにしておけば、あとはファインダーから覗いた構図がそのまま印刷される。アナログカメラに慣れているユーザーであれば、ファインダーとレンズのズレを計算して撮影することも可能だろうが、エントリー層のユーザーにとっては非常にありがたい機能だろう。前機種で好評だったという「オート露光機能」も引き続き搭載しているので、部屋の明るさや撮影時の構図を深く考えずとも気軽に撮影できるエントリーモデルに求められる機能がより充実した形だ。
『INSTAX mini 12』の発売日は3月16日、価格はオープン価格としているが想定売価では11,000円程度を想定しているという。
スマホ専用アプリ『INSTAX UP!』によってアナログの良さを残したまま、デジタルの利便性を両立
記事冒頭でも述べたが、チェキの良さといえば、インスタントカメラならではの手軽さや、レトロ感のある色合いによる味わい深さ。加えて言うならば、データやフィルムなどの記録装置を用いないことで、印刷されたチェキに"一点モノ"という特別感が生まれることにもあるだろう。だからこそ撮影されたチェキは人気のファンアイテムとしてさまざまな現場で利用されているのだ。
一方で、親しい友人らとの思い出を保管するツールとしては一長一短であった面も否めない。大きなメリットとしては、撮影と印刷がワンセットで行われる手軽さのおかげで、スマホの自撮りと比較しても圧倒的にカタチに残りやすいことだろう。わざわざ印刷するほどではないが、何気ない瞬間を切り取った思い出を部屋に飾って楽しむ、といったようなアナログ写真の良さは間違いなく魅力だし、写真や動画をデジタルデータで保管するのが主流となった現代においてはチェキの持つ個性として成立してすらいる。
とはいえ、せっかく撮影した写真は友人にもシェアしたいし、手元に置いておけるのは印刷されたチェキの現物を持っている人だけ、という点はアナログゆえの弱点だった。印刷したものをスマホのカメラで撮影するのはどことなく味気なさも感じるだろう。前置きが長くなったが、そうしたアナログの良さや魅力と、デジタルの利便性を両立させるのが今回登場した『INSTAX UP!』だ。
本アプリは印刷されたチェキをスキャンして取り込むことで、コレクションとして保管できるアルバムアプリ。取り込んだチェキは日付や位置情報、タグ付けなどで分類することが可能なので、管理も楽になる。サイズも3種類展開されているチェキプリントの大きさに対応しており、横向きに撮影されたチェキ向けもワンボタンで対応可能だ。
『INSTAX UP!』の最もユニークな点は、一般的なサムネイル表示のビューワーのほかに用意された「Box View」モードだろう。
このモードでは取り込んだチェキたちを机の上にバサッと広げたような表示方法で思い出を振り返ることができる。背景も、用意されたプリセットのほか、自身で撮影した写真を使うことが可能。まるでお菓子の缶にチェキを詰め込んだような、あるいはコルクボードに沢山貼り付けたようなゴチャゴチャ感が楽しいモードだ。そして、そのチェキを広げた様子をSNSでシェアすることも可能。発表会冒頭で後藤社長が語った「アナログとデジタルのかけ合わせ」をまさに体現するようなアプリだ。