20年ぶりのブーム再来? 直近4年で約440万個出荷……欧米版「たまごっち」が日本に初上陸

欧米版「たまごっち」が日本に初上陸

 突然だが、あなたは「たまごっち」をご存知だろうか。懐かしいと思う人もいれば、初めて聞く人もいるかもしれない。

 簡単に説明すると、「たまごっち」はバンダイが1996年に日本で発売したキーチェーンタイプの電子ゲームであり、その中に登場するキャラクターのことでもある。その名の通り本体は卵のように丸い形をしており、小さな画面と3つのボタンが付いていることが特徴。

 プレイヤーは育ての親となり、卵から生まれてくるキャラクターにご飯をあげたり、ミニゲームで一緒に遊んだり、トイレの処理をしたりといったお世話をしつつ、ひたすら育成することがゲームの目的。キャラクターはお世話の内容や頻度、そして時間経過によってさまざまな姿に変身し、なかにはなかなかお目にかかれないレアなものも存在する。

 また、キャラクターはお世話をしないで病気にかかったまま放置したり、寿命を迎えると死んでしまい、また最初から育てることになる。しかし「次はどんな姿になるかな?」という期待感や、本体を手軽に持ち運べることが、プレイヤーが繰り返しこのゲームを遊ぶ動機となるのだ。

 そんな「たまごっち」がいざ発売されると、社会現象になるほど爆発的に売れた。当時はそのブームにあやかろうと、見た目やゲーム内容が似ている商品も多々見かけるほどだった。ちなみに2020年にはバンダイから「きめつたまごっち」という商品が発売され、こちらも予約時点であっという間に完売したそうな。「鬼滅の刃」の人気もさることながら、昨今でも「たまごっち」が愛されていることがうかがえる。

 そんな「たまごっち」だが、実は1997年、すなわち日本での発売からわずか1年後に海外にも進出していた。

 アメリカやヨーロッパなどの欧米圏では『Original Tamagotchi』という名称で販売されており、やはり日本と同じように一度はブームが落ち着いたらしい。しかし2016年にイギリスの俳優であるオーランド・ブルームと、その恋人でアメリカの歌手ケイティ・ベリーが年に一度のファッションイベント『メットガラ(Met Gala)』に、「たまごっち」を身に着けて登場したことが大きな話題になり、ブームが再燃。

 欧米では2018年から復刻販売が始まった結果、そこから2022年までの4年間に、『Original Tamagotchi』が約440万個出荷されるという大記録が生まれたそうだ。実に約20年ぶりのブーム再来ということで、「たまごっち」のポテンシャルには驚かされるばかりである。

 そして、2022年11月。なんと欧米でのみ販売されていた『Original Tamagotchi』が25周年を記念して日本に初上陸を果たし、WEGO 1.3.5... 原宿竹下通り店と、Amazonの2箇所で購入可能に。なお、前者の店舗での販売は11月23日から始まる。

WEGO 1.3.5... 原宿竹下通り店

 『Original Tamagotchi』のプログラムは欧米発売当時のままであり、Generation1(初代『たまごっち』と、Generation2(『新種発見!!たまごっち』)の2種類それぞれで登場するキャラクターが異なる。

 ちなみに日本版の「たまごっち」はキャラクターが死んだ際の演出がお墓になるというものだが、欧米版では天使になったり、UFOに連れていかれたりと、独自のものになっている。本体のデザインは全部で16種類あり、価格は1個につき2,800円(税込3,080円)だ。

 「なぜ原宿なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれないが、その理由はこの商品が10〜20代の”Z世代”をターゲットにしているからである。近年では「写ルンです」という昔のインスタントカメラを使って写真を撮ったり、あえて1990年代のファッションが取り入れられたりするなど、若者の間でレトロ文化のブームが流行している一面もある。

 日本初上陸となる『Original Tamagotchi』は、そのカラフルな外見が特徴だ。それをゲームとしてだけでなく、ファッションアイテムの1つとしても現代の若者に訴求するなればこそ、彼らのトレンドの発信拠点ともなっているWEGO 1.3.5... 原宿竹下通り店に白羽の矢が立ったというわけだ。また「たまごっち」の名前は知っているものの、実際に遊んだことがない若者からも興味が寄せられると考えられる。実際、同店舗の外観を目にした通行人たちの口からは、次々と「たまごっち」のワードが飛び出していた。

 なお、同店舗では11月23日から11月27日の11時〜20時まで『Original Tamagotchi』の発売記念イベントを実施する(※27日は18時でイベント終了)。

 『Original Tamagotchi(1人2個まで)』や「たまごっち」関連のグッズを購入できるほか、まめっちとのグリーティングも楽しめる。グリーティングは11月23日、26日、27日の11時、13時、15時で各回20分程度となっている。

 また、たまごっち公式SNS(TwitterかInstagram)をフォローし、スタッフに提示するとオリジナルステッカーをもらえるキャンペーンも行われる。こちらは1人1枚限りで、なくなり次第終了となる。

グリーティングができる巨大まめっち(近くで見るとかなりでかい)

 日本では入手が難しい欧米版の「たまごっち」をこの機会に手に入れ、流行のファッションアイテムの1つとして、キメてみてはいかがだろうか。

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