何度も相まみえた「印象深いボスキャラ」5選 類まれな原動力は執着か、はたまた情念か?

ゲームで何度も戦った「印象深いボス」5選 

 どんなゲーム作品であれ、プレイヤーがもっとも馴染み深いキャラクターといえば、おそらく真っ先に挙がるのは主人公ではないだろうか。だがその一方で、行く手を阻む”敵キャラクター”も同じくらい重要な存在だと言える。

 ステージ道中で大量に出現する雑魚キャラをはじめ、各ステージの最深部で待ち受ける大ボス、ゲーム終盤でトリを飾るラスボス……など、その種類や役割は往々にして異なるものの、なかには”ゲームクリアを阻むハードル”としてゲームスタート直後から登場し、最期の時までプレイヤーの眼前に立ちはだかり続ける敵もいるからだ。

 そこで今回は、人気ゲーム作品に登場する敵キャラクターのうち、プレイヤーが何度も戦う印象深いボス5人にフォーカスしてみた。本稿では彼らの作中での活躍を踏まえつつ、脳裏に焼き付く個性や魅力をご紹介する。

※テーマの性質上、本文内にゲーム本編のネタバレが一部含まれる箇所がございます。あらかじめご了承ください。

ギルガメッシュ

ギルガメッシュ(ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア より)

 『ファイナルファンタジーV(以下、FF5)』に登場するギルガメッシュといえば、武蔵坊弁慶を彷彿とさせる立ち姿が印象深い。彼は作中の黒幕「エクスデス」の親衛隊長として主人公パーティーに勝負を仕掛け、以降もことあるごとに矛を交えることになる。初戦時にかかるBGM「ビッグブリッヂの死闘」も、「FF」シリーズ屈指の戦闘曲として有名だ。その言動や登場回数の多さ(計6回)を含め、『FF5』全キャラクターの中でもとりわけ強い存在感を放っている。

STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN 追加ミッション「次元の迷い人ギルガメッシュ」紹介トレーラー

 至上の武具を求めて強者に戦いを挑み、本気になった相手には阿修羅のごとき形相で襲いかかるギルガメッシュ。しかし一方で偽物の武器をつかまされたりと、本編においてドジな性格がフィーチャーされているのもポイント。

 本作の主人公バッツとは当初から敵対関係にあるものの、戦いのさなかで友情めいた縁を築き上げ、ストーリー終盤ではバッツたちを助けるべく、敵陣営のボスを巻き込んで自爆する。『FF5』本編にて壮絶な最期を遂げたギルガメッシュだが、後続タイトルでゲスト参戦を果たしており、現在にいたるまで「FF」シリーズを支える人気ボスとして愛されている。

バルバトス・ゲーティア

バルバトス・ゲーティア(テイルズ オブ デスティニー2 より)

 バルバトス・ゲーティア(以下、バルバトス)は、2002年発売の『テイルズオブデスティニー2』に登場した狂戦士である。心の底から英雄を志したものの、凶暴な戦いぶりを危険視した周囲の反応は冷たく、歴史の表舞台へ上がることなく消失。その後本編の時間軸にて復活を果たすと、主人公であるカイル・デュナミスの前に幾度となく立ちはだかり、かつての凄惨さをいかんなく発揮する。

 「アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!」という衝撃的な台詞は、初登場から20年経った今もまったく色あせていない。バルバトスは27年の歴史を誇る国産RPG「テイルズ オブ」シリーズのみならず、数多のRPG作品に登場するボスキャラクターと比較しても上位に入る、過激な悪漢といえるだろう。ボスとしての純粋な強さ、そしてキャラクターボイスを務めた若本規夫氏の熱演も相まってか、「テイルズ オブ」シリーズ内外を問わず知名度の高いキャラクターだ。

【テイルズ オブ ザ レイズ】霊装魔鏡技 バルバトス 大叫喚地獄

 上述の台詞を筆頭に、「今日の俺は紳士的だ。運が良かったな」「術に頼るザコどもが!」など、強烈な名言にはとにかく事欠かない。さらに、2006年発売の『テイルズ オブ デスティニー』(リメイク版)にも特別参戦。こちらはストーリーに直接絡むことはないものの、レベル上げなどで長時間フィールドに滞在する主人公パーティーに喝を入れるべく、撃破不可能な特別ボスとしてプレイヤーを襲撃する。

ムムカ

ムムカ(ゼノブレイド より)

 若本規夫氏からボスキャラクターを連想するなら、『ドラゴンボール』からセルをぜひとも取り上げたいところ。しかし今回は『ゼノブレイド』より、プレイヤーおよびモナド(作中のキーアイテム)を執拗に狙うムムカをチョイスしたい(下の動画では、50秒あたりに登場)。

ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション 紹介映像

 2022年11月時点で『ゼノブレイド3』まで展開中の同シリーズだが、ムムカはその第一作目で主人公シュルクたちを何度も苦しめた宿敵。狡猾な性格ゆえ、敵勢力にあたる機神兵との戦闘中に仲間を見捨てて逃走を画策するも、あえなく敵に周囲を囲まれ襲撃を受けてしまう。

 以降はホムス族(人間に近い種族)ながらも自らの身体を機神兵の生体ユニットとして取り込み、同作のヒロインであるフィオルンの体を無慈悲に貫いて致命傷を与えたり、シュルクやかつての仲間であるダンバンを凶刃にかけようと追い回したりした。ホムス族としてのプライドを捨ててもなお、「俺は今最高に充実しているんだぜ!」と高揚を隠さないその傲慢さは、結果的に自らを終幕へと至らせる引き金となった。

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