まるで“実車”のような映像 奥深きラジコンの世界を追求するYouTubeチャンネル
今回紹介するのはKatuRouチャンネルの「ほしくなる」シリーズをはじめとしたRCカーの動画だ。実車のような動きを再現し、迫力の映像となっているのが特徴的であるが、そこには様々な工夫がされている。
こちらの動画はタミヤ製日産スカイラインGT-R(R32型)のRCカーを題材としている。実車は日産の代表的なスポーツカーであるスカイラインGT-Rの3代目に当たる車種。ハイパワーエンジンとハイテク4WDなどの装備を武器に数々のレースを制してきた伝説的なクルマだ。
今回のRCモデルは1/10スケールで、ドリフト走行が可能なお得セットを、大きくスライドさせないグリップ走行向けにし、これをベース車両としている。足回りの大きな変更点はサスペンションに施した「禁じ手」セッティング。ローリング(車体前後を軸とした回転運動、真正面・真後ろから見た時の左右ボディの高さが変わるような傾き)を大きくし、実車のように見せるためのセッティングだ。
内容としてはダンパーの抵抗を少なくするというもの。車体はばねで支えられているが、ばねのみでは振動が加わった後いつまでも車体の振動が収まらない。そこでオイルなどの抵抗を使い振動を落ち着かせるのがダンパー(減衰装置)の役割だが、この抵抗は車体の動きを少なくする(足回りが固くなる)要因になりうる。そこでダンパーの抵抗を少なくして車体の傾きなどの動きを大きくするという狙いのようだ。
ピッチング(車体真横から見た時の車両前端と後端の高さの差が生まれるような傾き)についても傾きが大きくなり、減速時の前かがみするような動きも見事に再現されている。スラローム走行などを見ても実車と間違えそうなほどリアルな動きになっている。
また、ボディの完成度も素晴らしく、余った材料でナンバープレートを作り、ヘッド・テールライトは仕込んだLEDライトで点灯可能。ブレーキング時にブレーキランプが点灯するように製作している。ボディには重りを取り付けて車体の傾きが大きくなるようにしているようだ。重量級といわれたGT-Rの挙動を再現できていると言えるだろう。
RCカーと同じ高さで撮られている点もあり、映像全体としても迫力のあるものになっている。RCカーは実車と違い運転しながら自分の車の走っている姿を外から眺められるのも面白さの一つだ。
そして、このように実車挙動を再現したRCカーは急ハンドルをするとすぐにスピンしてしまう。運転も実車と同じく丁寧にコントロールしないとキレイに走れないというのがおもしろい。