明るい配信スタイルが人気のゲーム女子・魔界ノりりむ。時折見せつけるワードセンスに見る“深さ”

魔界ノりりむのワードセンスに見る“深さ”

 彼女のピュアさと熱中ぶりが露わになった配信といえば、2020年9月19日にグウェル・オス・ガールとコラボ配信された「魔界ノりりむが積分の問題を解けるまでおわれません」であろう。

魔界ノりりむが 積分の問題を解けるまで おわれません 【にじさんじ】

 「積分・微分は聞いたことない!」と開始直後にハッキリ口にし、そもそも「Xの上に2っていう数字がある意味が分からない」「方程式?わからない!」というレベルだったりりむ。

 いつものように一味違った発想から言葉を交わそうとする彼女に対して、「わからないことを教えてくれる生徒は良い生徒」と否定することなくポジティブに受け止め、そのままジリジリと進めていくグウェル。

 中学校1年の数学から高校2年~3年レベルまでの数学へと学んでいったこの配信は、当時Twitterで非常に大きなバズを巻き込み、教育系YouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』のメンバーが配信コメントやSNSで反応を寄せ、「VTuberを知らない」層の学生・先生世代にまで伝わっていった有名な配信だ。

 じつはこの配信、お互いがかなり熱中してのめりこんだ結果、途中休憩もほとんど挟まず8時間ぶっ通しで授業し続けている内容となっている。お互いにとってかなり疲労感が残る配信になったはずなのだ。

 後日りりむの口から「授業聞くの無理な人なんだけど、グウェルとだったら全然苦痛じゃなかった」「勉強ってこんなにも楽しいんだなって、それが一番の学び」という言葉が出るほどに自身の考えが変化したことを明かしている。彼女の素直さ、ピュアさ、感受性の高さがいかほどのものかが分かる話だ。

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 こんなにも明るく振る舞う彼女だが、人見知り、陰キャな気質が強くあることで、新しく知り合った人と馴染むのに時間がかかってしまうのだから、とても不思議な印象を与えてくれる。一方、仲良くなった者とはよいコンビとなっていくことも多い。卯月コウとのコンビ「おりコウ」はまさにそれを地でいく組み合わせだろう。

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 お互いに人見知りで陰キャを自称しつつ、理路整然と語っていく卯月コウと、感覚的に物事を話すりりむはとても好対照。各々が育んできた独特な感性を基にして広がっていくトークは、お互いに否定を挟むことなく続いていく。

 そんな特徴が顕著に見えたのが、今年上半期に大いに盛り上がった『NEEDY GIRL OVERDOSE』のゲーム配信で、約8時間近くに渡った長時間配信となった。

 お互いが持論をもって熱量高く会話していくので、なかなか会話のシメが見つからないことはよくある2人だが、これが卯月コウが好むノベルゲームだとより拍車がかかり、ネットカルチャー・アイドルからVTuber・「病み」をモチーフにしている作品になるとりりむもまた会話に入りやすく、いちど解釈を解き始めると数分以上に渡ってトークしてしまいゲームが進行しなくなることが多発、配信時間が長時間化したのだ。

 この配信をうけ、世界最大級のインディゲームの祭典 「INDIE Live Expo 2022」にて、インディゲーム実況アワード「時々でいいから、超てんちゃんのことを思い出してください賞」を受賞。

 本来であれば特定のゲーム実況者に賞を与える予定ではなかったが、製作者のにゃるらからの「ゲームそっちのけでインターネットの持論について話してるのが最高!」という推薦があり、受賞に至った。

【NEEDY GIRL OVERDOSE】メンヘラな女の子を2人でトップ配信者にするぞ!【にじさんじ 魔界ノりりむ/卯月コウ】

 デビューしてからすでに4年が経過し、陰キャ気味な性格は変わらぬままだが、明るく・元気・快活・純真さが前に出た素性、独特なセンスからくる突拍子もない言動、そこに数年分のキャリアを積んだ経験値も加わり、どこかあざとさと可愛らしさを振りまくようになった。

 にじさんじのなかでも未だに稀有な少女性を保ったままなのは、彼女のすごさであろう。

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