明るい配信スタイルが人気のゲーム女子・魔界ノりりむ。時折見せつけるワードセンスに見る“深さ”

魔界ノりりむのワードセンスに見る“深さ”

 マンガ、ゲーム、ライトノベル、アニメといった作品群のなかで、こういうキャラクターを見たことはないだろうか。主人公含めた周りの人よりもちょっとおバカだけども、冴えたアイディアと言葉遣いでパンチラインを吐き、周囲を驚かせ、納得させてしまうようなキャラクターを。

 魔界ノりりむの言葉とセンスは、時としてそういったセンスを見せつけることが多い。彼女の健気さと素直さが彼女の素性としてありつつ、「あー……ね! そういうことかぁー!」と場に合わせられる空気読みスキル、その2つを自分のなかでうまくバランスさせつつ、感受性の強さも相まって金言と迷言を意図しないかたちで発する。

 よく話題に上がるのは、2019年5月15日にMinecraftの配信タイトル「いつから朝でどこから友達なの?」であろう。

 この配信の1年後、花畑チャイカ、社築、加賀美ハヤト、夢追翔による飲酒雑談配信のなかで、「オーディオインターフェースの話をされたとき、急に音が出なくなったらしいんだけど、その時の表現が『急に音のない世界になって...…』って言われたんだよね」「配信タイトルに『いつから朝でどこから友達なの?』はスゴイ」「作詞する側としてホンモノの嫉妬があった」と答えるほど。

 さらに翌年、元配信から2年後となる2021年8月31日には鷹宮リオンも雑談配信中に同タイトルについて触れ、「博報堂もビビるようなポエムしていたよね」「りりむって何言ってるか8割方わからないんだけど、たまーに吟遊詩人になるよね。」と触れている。年月が経っても同僚にとっていかにインパクトがあったかが分かる。

 動画に対するコメントでも「タイトルが良すぎる」「りりむポエムの最高傑作」「タイトルがエモ」という声が上がり、それも数年にわたってコメントが書かれているあたり、噂を聞きつけて動画を見に来たファンによるものなのがわかる。

 もっとも、『Mincraft』をプレイしているのに『Apex』をタイトルにしてしまっているあたりに、彼女の小ボケっぷりも伺い知れたりもする配信タイトルだろう。

【Apex】いつから朝でどこから友達なの?【#りりむとあそぼう】

 もう一つあげるとすれば、椎名唯華に対して「まずしぃしぃは、相手を人としてちゃんと扱おうとするところかな。自分のおもちゃだと思って扱ってるでしょ? ゲーマーズのなかで一番クズだからね?」というあまりにもストレートなダメ出しをしたことだろう。

 現在でも仲のいい椎名とりりむであるが、この発言をしたのは2018年9月26日、彼女ら2人がデビューしてまだ数か月ほどしか経っていないころ。

【Left 4 Dead 2】2人は、おしぃりぃ♯1【にじさんじゲーマーズ】

 『Left 4 Dead 2』をプレイする前にSNSを通してリスナーから質問を募集し、「どうしたら仲良くなってくれますか?」という質問をうけての回答であった。

 当時2人はあえて仲が悪そうにいじわるなアクションを起こす不仲営業をしていたこともあり、それを見ていたリスナーからのピュアな質問であろう。これを受けて答えたのがりりむのドストレートな返答であった。

 これに対して椎名も「認めざるを得ないけど、頑張ってる方やねんけどね? クズなりにも」と答えるが、「クズなりにじゃなくて、クズを治すところから始めないと。『クズだけど……』と言っちゃうと治ってないことだからね?」とこれまたクリティカルな返しをし、椎名も苦笑いでへこんでしまう姿を見せてくれた。あまりにもドストレートかつ真っ当な言葉の数々に、コメント欄も大賑わいとなったのが確認できる。

 彼女のこういった言動が、彼女にとって意識的なものなのか、ナチュラルに出てきたものなのかは、その時々によって様々に変わるのは間違いない。重要なのは、その表現が相手はおろか周囲の者に大きなショックを与えてしまっているという点にある。

 多くの場合は「なにやってんだよ!」というツッコミを誘発するボケや迷言となり、少ない場合はこのような強烈な言動となって印象付けられる。彼女の言葉や存在感はやはり見過ごせないところなのだ。

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