にじさんじ・赤羽葉子の「神秘性」はすり減らない
2019年9月13日に森中、伏見、ギルザレンIII世とともに『Project Winter』をプレイした際、ギルザレンIII世との会話の流れで「キミも今日から眷属だ!」と言われて以降、なにかとコラボ配信を共にすることが多くなった2人はオカルト・ホラー・スプラッター要素以外にも注目すべき要素がある。それは、お互いに生配信を頻繁にしていないという点だ。 特に、元ゲーマーズ組といえば叶・葛葉を筆頭に、現在でも頻繁かつ積極的に配信活動をし、公式番組などへの出演も頻繁で、外部企業との関りからタレント活動を見せるものも多い。彼らと比較してみれば、彼女はたしかに低稼働ぎみに見えるだろう。ギルザレンIII世ほどではないにせよ、赤羽もまた「配信しない」勢としてファンから認識されていることが多い。
以前引っ越し準備やネット回線開通のタイミングと被って配信が滞ったときには、同僚・仲間からも生存確認が取られるなど、彼女の身を案ずるメンバーもいるほどだ。
とはいえ、この配信活動を見てみると面白いことが分かってくる。『PUBG』『ARK』『Phasmophobia』とその時々によってハマったゲームタイトルがあれば頻度がグっと上がり、熱が冷めるとグっと頻度が下がる。その自由かつ正直な配信ペースは、彼女がいかに自然体で活動を続けてきたかの証ともいえる。
今年に入ってから何度か届けられている雑談配信では「ガシャポンにハマってしまった話し」「数年ぶり2度目の知能検査を受けた衝撃結果」「月末に向けてまったく計画を進められない自分の体たらく」と、やはりどこかズレたエピソードを話していた。
これまでゲーム配信が専らメインであり、明確な雑談配信をあまりこなしてこなかったことも影響してか、彼女がどういった人物でパーソナリティを持っているのか、彼女のファンでも意見が分かれがち。こうして1月に1回の雑談配信で身の上話をしてくれるだけでも、彼女の場合は話題に事欠かなさそうだ。「もっと配信しないとダメだよ」「スケジュールを自分で設定すると、守れないんだ...」と自分を叱咤しながら、どこまでいってもマイペース、それもまた彼女らしさに溢れている。
6月25日の配信では、ほぼ無言で絵をスケッチしながら計画を立てていた彼女。おしゃべりな彼女とは裏腹な配信タイトル、概要欄には「#にじフェス2022 この配信の概要は配信終了後に追記されます。」と記され、11月に開催予定の『にじフェス2022』で関わる企画「にじさんじライバージオラマハウス」にまつわる絵コンテを、彼女なりに描いていく配信となった。
途中休憩ついでにリスナーへと出したクイズがあまりにも酷すぎたことで、リスナーから「???」「あやまれ」「は???」と罵声のコメントが届くなか、うまく内容をまとめられたようだ。
青森と岩手とメタモンの方はすみませんでした。筆記のみでコミュニケーションする配信は一度やってみたかったんだけど、みんなが変なことばっか言うので喋るのをこらえるのも大変でした!
にじフェスで完成品を見られるのでお楽しみに!どうなるのこれ!!#にじさんじライバージオラマハウス (仮)— 赤羽葉子💀 (@Youko_Akabane) June 25, 2022
以前、当連載のギルザレンIII世記事に驚いていた彼女にSNS上で筆者から言葉をかけたところ、「謎は謎のままにしておきましょう!!そのほうが神秘性が保たれていいと思います!!!!!」と返信されたことがある。
謎は謎のままにしておきましょう!!そのほうが神秘性が保たれていいと思います!!!!! https://t.co/7dne3kYQyI
— 赤羽葉子💀 (@Youko_Akabane) May 7, 2022
生身を削るように自分をさらけ出していくストリーマーな配信スタイルが増えていくなかにあって、ここまでの4年間でもあまりすり減ることのない彼女の素性・センス・言動は底知れない。「配信をしている/していない」は些事なことと思わせてくれるほどに、「なにをするのか/なにを考えているか」が計り知れない神秘性、凶暴性、無軌道さに注目が集まる。にじさんじらしさを体現するセンスとして今後光っていくはずだ。