にじさんじ・赤羽葉子の「神秘性」はすり減らない
さて、2022年で4年目を超えて5年目へと向かう彼女は、これまでの多くの名シーンを届けてくれている。
元にじさんじゲーマーズ1期生同期である叶との「叶え葉(かなえよう)」は、両者ともにアクティブかつイタズラ好きな一面があることや、『PUBG』をともにプレイしていたことで意気投合。
2018年11月23日のデビュー半年記念配信(ゲームの日記念)では、事前に示し合わせていないのにも関わらず軍服をそれぞれに制作し、ファンともどもに驚きあったほどでもある。
2022年5月15日に叶が突発的に始めた『PUBG』の視聴者参加型カスタム配信にも事前連絡せずにコッソリと参加すると、配信途中でリスナーや叶に見つかってしまい、叶と同じチームでプレーしたりと、改めて仲の良さを見せてくれた。
カスタムで己の無力さを痛感しトレーニングの射撃場にひきこもったあと満を持してカジュアルでマッチングした敵の人々とサッカーボールの取り合いをしました
(pubgぜんぜん勝てないよ~~~~~~~楽しい) pic.twitter.com/Ky8IvWR8ew— 赤羽葉子💀 (@Youko_Akabane) May 15, 2022
この2人に同じ元ゲーマーズ組の本間ひまわりと葛葉を加えた「シリンソウ」もまた有名であろう。
渋谷ハル主催の第1回VTuber最協決定戦 PUBG verにチーム「にじさんじゲーマーズ」として出場したのをきっかけとして4人で結成。同大会と第二回大会に向けての練習配信で多くの時間をともにし、その後に改名している。
この1~2年でにじさんじを知った方にとっては「カスタム大会の練習」というともはや日常茶飯事のように思えるだろうが、2018年~2019年ごろはVTuber全体を巻き込むようなゲーム大会自体がかなりのレアだったころ。
ホロライブ・個人勢もひっくるめたVTuber頂上決戦のように見られ、文字通り「事務所」を背負っての大一番と期待するファンも多かったのも事実。その後同大会が『Apex Legends』へとゲームを変えて継続していくことで、大きなドラマとファンを生み出していったのは加筆するまでもないところ。
ゲーム配信では活発でアクティブな姿を見せてくれる赤羽だが、その口調や配信内容を知るリスナーからすれば、どちらかといえば人見知りな性格で、仲良くない方の前では後ろ向き・受け身な態度が滲み出てしまうのが彼女。
実際彼女がにじさんじに応募するきっかけとなった月ノ美兎と初めて会った時には、叶の後ろに隠れながら挨拶して緊張のせいで全く話せなかったり、別の収録終わりににじさんじの面々からご飯に誘われても「ご飯を食べるのが遅い」という自分のクセもあって気を遣ってしまい、ご飯を共にすることが少ないなどと語っており、そのパーソナリティが伺い知れるだろう。
自分の誕生日となった2021年4月4日には「初対面限定突撃配信」を実施。ましろ、町田ちま、成瀬鳴、周央サンゴ、社築と、自分の世界を強く持っていたり、人見知りしがちな面々を中心になぜか選んでしまい、四苦八苦する彼女の姿が見れる。
この配信と通じて仲良くなったましろに、月ノ美兎、でびでび・でびるが加わり「にじさんじ降霊術」としてコラボ配信を行い、自身の3Dお披露目配信や元公式番組『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』などでもゲストとして共にするなど、一気に距離を縮めていくこととなった。
オカルト・ホラー・スプラッター要素の組み合わせといえばもう一組、伏見ガク、森中花咲、ギルザレンIII世と4人で「にじさんじオカルト研究部」としてホラーゲームをプレイすることも多い。
「アタシが主催で声をかけて集めたんですけど、アタシ以外全員元二期生になってしまいました」と話すも、物怖じせず楽しみながらゲームを進めていく伏見、「おじいちゃん」とイジられながらツッコミ役となるギルザレンIII世、積極的にプレイするも絶叫して大慌てする赤羽と森中の女性陣2人、四者四様のバランスがとても見どころとなっている。
なによりこの「にじさんじオカルト研究部」のおもしろい点といえば、あまり配信を頻繁に行なわないギルザレンⅢ世がゲーム配信をしている点であろう。以前の連載でも書いたように、「配信をしないこと」が強いキャラクター性となっている彼。そんな彼を普通のゲーム配信に呼び出すことができる、にじさんじのなかでも数少ない強権を持っているのが赤羽葉子なのだ。