十束おとはが“演者目線”から深掘りする、実験的テクノロジーを駆使した「オンラインライブ」の裏側

フィロのス配信ライブの“テクノロジー”

課題は「オンラインライブならではの楽しみ方」

(写真=SHOKO ISHIZAKI (THINGS.))
(写真=SHOKO ISHIZAKI (THINGS.))

十束:ハイブリットなライブを作っていくには、まだまだ課題もありますよね。

福田:配信向けと、会場のお客様向けを両立していくのは、本当に難しいテーマです。それを達成する為には、照明やセットの作り、アーティストの目線だったり。全員がワンチームとなり、意思統一をしていくべきですよね。コロナ前に比べて配信という方法でライブを楽しむ機会は増えましたが、残念ながら、配信での伝え方を真剣に考えているライブとそうでないライブがまだまだあると思います。

三上:どちらか一方だけを気にしていると、どちらも成立しなくなってしまいますもんね。

福田:だから僕たちは、オンラインでも楽しめるライブとは何かをもっと考えていきたいと思っています。2年前に、とあるロックバンドの配信の配信ライブを観たんですけど、ボーカルの目線とか、カメラワークとか、とにかく配信向けに考え抜かれていたんですよね。そういった素晴らしい事例もたくさん出てきているので、リアルライブとオンラインライブ両方のハイブリッド時代に向け、テクノロジーの力でお手伝いしていきたいです。

十束:森口さんは、いかがですか?

森口:全員がひとつの演出技術として、ARを当たり前に話せるようになってほしいです。特別なものだけど、真のミックスができるように。ただ、「ARって、そもそも何ができるの?」という点を、伝えきれていないんですよね。そこが、我々の課題だと思っています。すごいことをやっているけど、よく分からないから別にいいやとなってしまうのは、もったいないので。

十束:アーティストも、システムについて理解をしていくべきですよね。全員が意見を言えるチームを作るのが、大事なのかもしれません。

福田:そうですね。あと、オンラインライブを伸ばすためには、いかにツッコミどころを作るかも重要になってくると思います。

十束:ツッコミどころ……ですか。

福田:たとえば「なんやねん、このロボットの衣装!」ってチャットでツッコミを入れたり。オンラインライブの楽しさって、観ている人がチャットなどで感動を共有できることも大きいと思います。アーティストによって考え方はそれぞれだとは思いますが、YOASOBIのように、ライブ配信中のスクリーンショットをOKにしてライブレポートをSNSでシェアできるようにしたり、オンラインライブならではの楽しみ方が増えてくれば生のライブとの差別化がもっとできる。家で観るからこその醍醐味を作っていくのが、今後の課題だと思っています。

■配信ライブ情報
メジャー1stアルバム「愛の哲学」リリース記念スペシャル配信ライブ
『フィロのス★with you』
開催日時:4月21日(木)開場19:00/開演19:30
アーカイブ期間:4月28日(木)23:59まで
配信チケット販売期間:4月28日(木)18:00まで
料金:4,500円(税込)
チケット購入URL:https://stagecrowd.live/2637130143/

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