10代・20代・30代それぞれの男性のアプローチの特徴とは? 恋愛番組をもとに考える

10代・20代・30代それぞれの男性のアプローチの特徴とは?

 とは言え、ここまではどこか向こう見ずな短期決戦や、ずっと待ち続ける長期決戦アプローチが時と場合によっては功を奏し形勢逆転にも繋がるのだが、全く話が違ってくるのが30代の恋愛事情だ。結婚を意識しているため、まず相手への質問内容がガラッと変化する。『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』 (Netflix)では、姿や顔を見ることなく “声”だけで心の通う結婚相手を見つけるため、その人の本質や本音を引き出そうとする質問が飛び交い対話が重ねられる。20代までは背伸びをして“憧れ”の対象に猛アプローチする人が多く見られたが、30代男性はそれよりも相手との“共通点”を探りにいく。これまでの経験値を基に自分自身の許容範囲や自分の変えられない部分、譲れないポイントを把握できていることもあってか、相手に対して歩み寄りや価値観のすり合わせはもちろん試みるものの、決して背伸びはしない。アピールポイントよりもむしろネガティヴな部分こそ共有し、自分の生活様式やこだわりを受け入れてもらえるかも確認する。相手に対しても誰もが気づくその人の魅力よりも本人がマイナス要素だと思っていたりコンプレックスに感じていそうな部分を受け入れることで愛情表現をする。

 さらに同棲生活が始まれば、彼女のライフスタイルに合わせてこれまでになかったジム通いの習慣を取り入れたり、彼女の両親への挨拶の前には自身のポリシーだった金髪を黒染めしたり、より行動で自身の覚悟を見せ始める。というよりも、将来を考える相手ができた時には自ずとそうやって相手と歩幅を合わせたくなるものなのだろう。

 同じく30代の男性が主軸となる『バチェラー・ジャパン』(Amazon Prime Video)でも、結婚を前提とした相手と自分のフィーリングを確認するためもあってか、非日常なイベントだけでなく互いの趣味を共有し合って、同じ経験をシェアし合う。そして相手が「こんな場面ではどんなリアクションをするのか」「他にどんな表情を持っているのか」をできるだけ引き出そうとし、自分自身も曝け出すことで自身の生活や人生と相手のそれがフィットするのかをきちんと答え合わせしていく。“特別感”や“非日常感”も織り交ぜながらも、それよりもその後続く日常生活の中での不安要素や懸念事項を何とかクリアしていこうとする姿勢にこそ、相手を大切に想う“本気度”が滲み出る。これは現実味が付きまとう作業にも見えるが、その一つひとつの愚直なプロセスにこそ“真摯さ”が現れ、女性は心打たれるのだ。

 “自分と一緒にいればこの先どれだけ楽しいことやときめきが待ち受けているか”最大限プレゼンするのが10代や20代前半のアプローチだとすれば、“自分と一緒にいることでどれだけ楽しい時だけでなく苦しい時も穏やかに過ごせるか、一緒に乗り越えるための話し合いができるか”という日常やより困難な局面での立ち振る舞いをきちんと想起させてくれる態度、対応こそ、“結婚”を具体的に意識した30代以降の男性のアプローチの特徴なのかもしれない。

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