クリエイターへの誹謗中傷対策の現在 人気YouTuberコンビ「平成フラミンゴ」りほの活動休止から考える
平成フラミンゴはTik TokからYouTubeに参入し、チャンネル開設約1年半で登録者が156万人を突破した人気YouTuberコンビだ(11月7日現在)。“やってみた”系の挑戦企画から、女子高生に扮した日常“あるある”動画、アラサー女性の本音を話すものまで幅広い動画を投稿している。コムドットやスカイピース、ESPOIR TRIBEなど、他YouTuberとのコラボも積極的に行っており、新しい世代のYouTuberとして急成長と共に界隈を盛り上げていた。
しかし、人気や登録者の増加と共に、一線を越える心ないコメントやメッセージが目に入ってくるようになったという。動画内では、それを受け流すということが難しいという正直な思いが、1人の人間としてのリアルな言葉と共に語られている。
誰でも発信できる、または誰にでもメッセージを送ることができるようになった昨今、YouTubeやSNSなどが盛り上がる一方、“誹謗中傷”というのは今や大きな問題となっている。今回のように活動を続けることが困難になることや、日常生活にも影響の出る心労となってしまうこともあるだろう。芸能人やインフルエンサーに限らず、個人でも攻撃的な投稿を受け取った方は少なくないはずだ。
ヒカキンやはじめしゃちょーらが所属する大手YouTuber事務所UUUMでは、2020年6月に「誹謗中傷および攻撃的投稿対策専門チーム」を社内に設置。今年の8月末には、設置後1年間の活動状況についての報告も行っている。それによると1年間で649件の通報があり、中には「殺害予告やストーカー行為で犯人検挙につながったケース」が4件、「悪質な権利侵害で投稿者特定したケース」が1件、「投稿者特定に向け対応中のケース」も2件あったようだ(https://www.uuum.co.jp/2021/08/30/66452)。
また、UUUMが代表理事を務め、今年8月に設立した「クリエイターエコノミー協会」には、「BASE」や「note」、「CAMPFIRE」や「ココナラ」などクリエイターの発信をサポートしてきた運営会社7社が参加している。有名インフルエンサーや芸能人に限らず、物作りや発信を行う個人も含めた多くのクリエイターを守るという動きができてきていることが、大手事務所に所属するメリットといってもいいだろう。
しかし、逆にいうと大手事務所であっても対策に本格的に動き出したのは、ここ1年の出来事であるというのもまた事実だ。同時に、数の多さや対応策の難しさなどで、全てを対処しきることが困難であるというのがまだまだ現状であるとも感じる。