クリエイターへの誹謗中傷対策の現在 人気YouTuberコンビ「平成フラミンゴ」りほの活動休止から考える

 また、最近活躍する新しい世代のYouTuberは大手事務所ではなく、新しくできたばかりの事務所や、あるいはどこにも所属せずに個人で活動することを選択する傾向にもある。その場合、クリエイターを守る対応策がまだ完全ではなかったり、攻撃的なコメントやメッセージが直接本人の目に届くことや、クリエイター本人が自らを守らなくてはいけないという状況の難しさも生じている。

 新しい世代のYouTuberは、傾向として長年活躍するYouTuberたちに比べ、主な視聴者層も学生をはじめとする若年層の割合が高く、リスクを考えずに友人間や個人で軽い気持ちでメッセージを送ってしまう者も少なくないだろう。

 “新世代YouTuber”を代表する人気グループ・「48-フォーエイト」は、自分たちで事務所を運営しているが、早くからネット上の誹謗中傷に警鐘を鳴らし、様々な活動の形で訴えている。

【ドラマ】あなた、私。〜Before that Future〜

 1年前には、メンバー自らが役者となったドラマ形式での動画『あなた、私。〜Before that Future〜』を投稿しており、再生数は現在239万回。ネットを通じて誹謗中傷を送る側と受けた側の心理描写や、デジタルタトゥーとなっていく様子が、若年層にも伝わりやすい形で表現され、反響を呼んだ。

ネット上の嫌がらせ、いじめの問題について YouTube と一緒に考えよう

 半年前には、YouTube Japanの公式チャンネル内で、YouTube 最高製品責任者であるニール・モーハンとも対談を行っており、ネット上での嫌がらせやいじめ問題についての疑問や対応策を話し合った。

 このように、クリエイターが視聴者に積極的に問題提起や警鐘を鳴らすことで、視聴者ひとりひとりの意識の向上や、メッセージを発見した際の対応策が広まることを願ってやまない。

 今回平成フラミンゴが、攻撃的なメッセージを受け取った側の現在の心情を包み隠さず明かしたことも、動画やネット上が個人という生身の人間に繋がっている地続きのツールであることを考えるきっかけとなっていて欲しいと感じる。

 私たち個人ができる対策としては、自分に向けられたものでなくとも、攻撃的な投稿を発見したら、直ちにそのサービスに「通報」「報告」するということをお勧めしたい。また自らの投稿も、今一度見直してみること、これも大切だ。クリエイターや個人が安心して発信を楽しめる環境になっていくことを望み、平成フラミンゴの二人が一日でも早く笑顔で投稿を再開できることをイチ視聴者として応援したいと思う。

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