2020.11.19 12:14

『水溜りボンドのANN0』第32回おさらい　『鬼滅の刃』を知らない男は映画版で感動できるのか？

文＝こたにな々

溢れ出るトミーのCreepy Nuts愛

Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / 未来予想図【Lyric Video】

　音楽をほとんど知らずに育ったトミーとは対照的に、新型コロナウイルスが流行する以前には月に1〜2回は必ずライブに出かけていたという、音楽好きなカンタ。しかしこのご時世ライブに行くことはなかなか難しく、それでも“ライブ欲”を満たしたい彼が今ハマっている
のが、“ライブのストリーミング配信”だ。

　観客を入れてのライブが実施できないなかでも、アーティストや会場側が工夫して届けているストリーミングライブは、音楽表現の新たなスタンダードとなりつつある。当初は、実際に目の前でパフォーマンスを観ることができないことに懐疑的だったカンタも、一度試してみるとその沼にハマってしまったようだ。会場に行く手間がないことはメリットも言え、設置されたチャットコメントによる観客との一体感、それぞれのアーティストの映像へのこだわりも感じられると、カンタは熱をこめる。「配信でもライブでしか見られない“あの感覚”は存在する」と、未体験のリスナーにアピールしていた。

　すでに、ビリー・アイリッシュやOfficial髭男dism、UVERworld、嵐、サカナクションなどのライブをストリーミングで鑑賞してきたというカンタ。そんななか、今月12日に行われた、同じくANN0パーソナリティーでもあるHIP-HOPユニット・Creepy Nuts（R-指定／DJ松永）の日本武道館公演の話題を切り出す。

　カンタはどちらかというと、これまではCreepy Nutsというアーティストのファンというより、ラジオリスナーに近い立場だったという。しかし、普段のラジオで話す姿とはまったく違う顔で、音楽ファンの聖地を湧かせる二人の姿に、「画面越しに観て泣きそうになった」とカンタ。水溜りボンドと同じ“二人組”が、日本武道館という大舞台に立っている光景に込み上げてくるものを感じたのだ。

　そしてトミーである。いわゆるJ-POPは2曲しか知らず、音楽ライブには無関心……と思いきや、実は2015年9月から今年7月まで放送されていたラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』に出会って以降、HIP-HOPだけは聴き続けており、なかでも日本一のフリースタイルラッパーであるR指定が所属するCreepy Nutsの大ファンだという。

　春に行われたANNのパーソナリティ就任記者会見では、Creepy Nuts本人に「ヘッズです」と伝えており、初めて「ライブを観たい」と思ったアーティストなのだとか。そんな熱意が今回番組内で語られ、トミーが「皆に聞いてほしい」という楽曲『未来予想図』をリクエスト。この楽曲は『フリースタイルダンジョン』放送中の2017年にリリースされており、楽曲中には「ダンジョンが終わり／世間の熱は下がり／冷やかし半分だった客足は遠ざかり／担がれた神輿／道端に置き去り」というリリックをはじめ、当番組で世間一般的な認知度と一躍人気を高めた彼らのその後の葛藤が赤裸々に綴られている。そこにグッと来たという、トミーの溢れ出る情熱が垣間見える放送となった。