禁止令に揺れるTikTok、Shopifyと提携でeコマース事業への一歩を踏み出す
カナダのeコマース、Shopifyは、TikTokとのパートナーシップの締結を発表した。米国で1億人のユーザー数を誇るTikTokを通して、新規顧客を獲得したい考えだ。米国での禁止令に揺れるTikTokとの提携は、同社にどれほどの恩恵をもたらすのだろうか。
TikTokがeコマース事業への一歩を踏み出した
10月27日、ShopifyはTikTokと提携し、100万を超える加盟店の顧客拡大を支援すると発表した。発表を受け、同社のシェアは4%以上も上昇した。
Shopifyによれば、このパートナーシップによって、小売業者は、動画を通して商品を販売できるようになり、TikTokユーザーは広告をクリックすることで商品を購入することができる。この機能は、まず初めに米国のユーザーから利用可能になり、来年初めにはヨーロッパと東南アジア全体に展開される予定だという。
すべての取引はShopifyのサイト内で行われるが、両社は今後数か月にわたって「新しい販売機能をテストするために協力する」と述べている。
Shopifyの製品部部門長、サティシュ・カンワー氏は、「販売業者は、ホリデーシーズンのオンラインショッピングに向けて準備を進めている。我々は、TikTokがeコマース事業に足を踏み入れる際の最初のパートナーとなることに興奮している」と期待込めた。
TikTokのグローバルビジネスソリューションの部門長、ブレイク・チャンドリー氏もまた、「Shopifyは、TikTokのeコマース機能をグローバルに成長させる手助けとなる、完璧なパートナーだ」と声明を発表している。
両社は、パートナーシップ締結による金額の詳細については明らかにしていない。
米国での禁止令に揺れるTikTokは、シンガポールに熱視線
米国での禁止措置に揺れるTikTokだが、地方裁判所による禁止令を阻止する仮差し止め命令により、一度は延命を果たした。しかし、なおもサービスの閉鎖措置の危機に瀕しており、11月4日に行われる連邦裁判所の公聴会にてその是非が問われることとなる。
それでも、TikTokは強気の姿勢を崩さない。英メディア『BBC』によれば、同社は今後3年間で約3,000人のエンジニアを採用する予定であると語ったという。
またTikTokの親会社、バイトダンス(ByteDance)は、「私たちの世界的な成長をさらに加速させるため、ヨーロッパ、カナダ、米国、そしてシンガポールでエンジニアを採用する予定だ」と述べている。