Androidが位置情報を不正に追跡? 米アリゾナ州がGoogleを訴える
米国アリゾナ州のマーク・ブルノビッチ司法長官は5月28日、マリコパ郡上位裁判所で「不適切に位置情報をトラッキングして、広告事業に利用することで収益を上げている」とし、Googleを相手取った損害賠償を求める訴訟を起こした。
Today we filed a consumer fraud lawsuit against Google for deceptive and unfair practices used to obtain users’ location data, which Google then exploits for its lucrative advertising business.
— Mark Brnovich (@GeneralBrnovich) May 27, 2020
アリゾナ州消費者詐欺法に違反? Googleは「誤解」と反論
マーク・ブルノビッチ司法長官は「Googleユーザーは『位置追跡を停止できる』と信じ込まされているが、Googleは他の手段を利用して個人のプライバシーを侵害している。ユーザーの動きを追跡するのを止めることはほぼ不可能なため、アリゾナ州消費者詐欺法違反にあたる。どれだけ革新的な企業でも、法律遵守は求められる」と述べる。
『ABC News』はこの件について、「2018年にこの疑いが報じられて以来、Googleに対する調査は継続的に行われてきた」と伝えている(参考:https://abcnews.go.com/US/arizona-sues-google-location-tracking-tactics/story?id=70932178)。
50ページ近くにおよぶ訴状では「GoogleのAndroidオペレーティングシステムがユーザーの位置情報を収集する際の手段が不明確である」と主張されている。
訴状によると、ユーザーがアプリ固有の位置追跡を無効にした後でも、気象、検索エンジン、Chromeブラウザを使用したウェブ検索など、特定の機能のバックグラウンドで位置追跡が継続されたという。ユーザーがAndroidのシステム設定で、より広範な「システムレベルの追跡」をオフにした場合にのみ、Googleが位置情報を不正に吸い上げるのを止めることができたという。
Googleのスポークスマンであるホセ・カスタネーダ氏は「この訴訟を起こした司法長官と弁護士は、弊社サービスを誤解しているようです。弊社は、常にプライバシー機能をプロダクトに組み込んでおり、位置データのコントロールを提供してきました」と述べる。