Apple&Googleの強力タッグで新型コロナ対策アプリ始動も、世界の反応はいまひとつ……

Apple&Googleがコロナ対策で強力タッグ

 世界的大流行になった新型コロナウイルス(COVID-19)を制圧すべく、モバイルの主要オペレーティングシステムであるiOSとAndroidの開発元である、AppleとGoogleは共同で、曝露通知アプリ用のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を開発し、リリースした。

普及が成功の鍵、プライバシーに配慮

 AppleとGoogleは、ユーザーが利用することが、成功への鍵になるとしている。この様なライバル同士の協業は異例だが、それだけ世界的危機を乗り越えるための本気度も伺える。実際に使用するには、各国の公衆衛生機関が、それぞれアプリを開発する必要がある。現在のところ、22カ国が採用しているという。

 位置情報を収集せずに、Bluetooth テクノロジーを利用して濃厚接触を検出して通知し、ユーザーのプライバシーに最大限の配慮をすることで、普及に道がひらけると両社は考えた(参考:https://www.apple.com/jp/newsroom/2020/04/apple-and-google-partner-on-covid-19-contact-tracing-technology/)。

 『The Guardian』によると、多くの政府がCOVID-19パンデミック対策のためのアプリ開発を試みたが、そのほとんどは失敗している。AppleやAndroidのスマートフォンで技術的な問題が発生し、実用化に至っていないという(参考:https://www.theguardian.com/technology/2020/may/20/apple-google-phone-app-trace-coronavirus)。

各国で対応はバラバラ

 一刻の猶予も許さない状況で、テクノロジーが最大限に活用されておらず、アプリは全世界に普及しない可能性もある。

 『9to5Mac』は「混乱が生じており、各国政府は、ほぼ例外なく任務を遂行しきれていない」と厳しい認識だ(参考:https://9to5mac.com/2020/05/21/apple-and-google/)。

 同記事では、AppleとGoogleは、迅速に行動する技術的な能力を持ちながら、それと同時に政府の役割を奪っていると見られたくなかった、という見方を示している。巨大化を続けるテクノロジー企業に対して、近年、行政当局は警戒して、巨額制裁金を科したり、新規規制を導入したりしているという事実があるからだ。

 それは、一見して非常に賢明で妥当なアプローチのように思われる。APIを構築し、それを必要とするあらゆる政府が最小限の労力でアプリを開発できるように、サンプルコードを作った。仕事の99%を行い、残り1%の仕上げは、各国当局に任せるというものだ。しかし、多くの場合にそれは実現しておらず、今後もその見込みはないという。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる