狩り続けて16周年『モンスターハンター』 総売上6000万本シリーズの原点を振り返る
2004年3月11日。この日、”ハンティングアクション”と呼ばれる新たなジャンルを標榜した1本のゲームソフトが産声を上げた。その名も『モンスターハンター』(以下『モンハン』。プレイステーション2(PS2)向けに発売された本作は、後に累計売上6000万本を超える一大メジャータイトルとして、2020年現在もゲーム業界で幅広く功名を知らしめている。本稿ではシリーズ生誕16周年にあたり、筆者の主観と体験談を交えながら、初代『モンハン』をざっくりと振り返りたい。
■主要シリーズタイトル(携帯機含む)
・モンスターハンター(2004年3月11日発売)
・モンスターハンターG(2005年1月20日発売)
・モンスターハンターポータブル(2005年12月1日発売)
・モンスターハンター2(2006年2月16日発売)
・モンスターハンターポータブル 2nd(2007年2月22日発売)
・モンスターハンター フロンティアオンライン(2007年7月5日発売)
・モンスターハンターポータブル 2nd G(2008年3月27日発売)
・モンスターハンター3(2009年8月1日発売)
・モンスターハンターポータブル 3nd(2010年12月1日発売)
・モンスターハンター4(2013年9月14日発売)
・モンスターハンタークロス(2015年11月28日発売)
・モンスターハンター:ワールド(2018年1月26日発売)
荒削りながらも本質的なハンティングアクション
『モンハン』シリーズの醍醐味であるハンティングアクション、並びに基本的なルーティーンは既に第一作目の時点で大枠を形成していた。プレイヤーがハンター生活を歩むココット村でクエストを受注し、フィールドを探索してモンスターと対峙、そして討伐。モンスターの素材や採取で得たアイテムを武具屋へ持ち込み、新たな装備を生成……といった具合に、ゲームを進める上でのシステム周りは、最新作『モンスターハンター:ワールド』へ脈々と受け継がれている。
ただ、最初から全てが完成されていたわけではない。例えばアイテムボックス周りを見ると、アイテム種類ごとのソート機能が実装されておらず、クエスト終了毎の整理に時間がかかっていた。また、武器や防具の生産に関しては、素材を店頭へ直接運ばないと作ってもらえない。また防具の強化も行えないため、序盤~中盤の装備は必然的にゲーム終盤で心もとなくなってしまったりと、やや荒削りな部分も見られる。とはいえ、メインコンセプトに掲げた”狩猟”に伴う本質的な要素は、おおかた完成されていたように思う。むしろ、後のシリーズ作品でより洗練される為の足がかりになったとも言えるのではないだろうか。
無印版から存在感を放つ人気モンスターたち
獲物を狩るハンターと並んで『モンハン』に無くてはならないもの。それは生態系を形づくるモンスターの姿だ。最新作にも登場する人気モンスターの何体かは、第一作目からハンターの前に君臨し続けている。空の王者として数多のプレイヤーをドン底に叩き落とした「リオレウス」と、毒属性のブレスやサマーソルトアタックが手痛い大地の女王「リオレイア」。この2体は作中において圧倒的な力を見せつけたほか、最終盤クエスト「一対の巨影」で2体同時に出現し、多くのハンターを苦しめた強敵である。近づけば尾で吹き飛ばされ、離れるとブレスで焼かれ、しまいには咆哮で動けなくなった瞬間に突進されあえなくキャンプ送り……という悲劇を経験したプレイヤーは多いのかもしれない。
こうした飛竜種のみならず、草食種や牙獣種、獣人種といったモンスターも、生態系の一部として生き生きと描かれていた。特に「アイルー」と「メラルー」は2足歩行でフィールドを駆け回る姿が愛らしく、長きにわたってファンの間で根強い支持を得ている獣人種。初登場時の段階でも人間社会と密接な関わりを持っている様子だったが、2008年発売の『モンスターハンターポータブル 2nd G』で大幅に出世。「オトモアイルー」としてクエストに連れていけるように。まさに『モンハン』のマスコットと言えるモンスターへ成長を遂げた。