『CES2019』で見た「MaaSと自動車の未来」 思わず胸踊るカーライフの進化を追う

『CES2019』で見た「MaaSと自動車の未来」 思わず胸踊るカーライフの進化を追う

 今年も1月7日~11日にかけてラスベガスにて開催された『CES(Consumer Electronics Show)』。家電に限らず様々なテクノロジーが集まるイベントだ。今回はMaaS(Mobility as a Service)を中心に、筆者が見た未来を紹介する。

MaaSとは?

 MaaSとは「モビリティアズアサービス(Mobility as a Service)」の略。自動車を所有せず、ICT(情報通信技術)を使い、利用したいときにお金を払って様々なサービスを受けることを言う。昨年CESでトヨタが発表したモビリティサービス用のEV「e-Palette concept」はまさにMaaSを意識したものだった。

CES2018のトヨタブースで展示されていた「e-Palette concept」

 あれから1年、MaaS関連技術はどのように進化したのか、各社の展示をチェックした。

DENSOではMaaS体験を実施

 自動車部品メーカーのデンソーブースでは、MaaSを実現するコネクテッド技術を展示。MaaSが実現した時どのようなサービスを受けることができるのか、ビジネス、トラベル、デイリーの3つのシーンを用意。大きな車両を用いて、疑似体験を提供していた。

 具体的には、ビジネスでは主に移動中のミーティングを想定。トラベルでは旅行中にクルマ側から様々なリコメンドが行われる。また、デイリーでは買い物や映画など新しいモビリティサービスを提案している。筆者は、デイリーのデモを体験した。

デモ中、外のディスプレイでは、まるで実際に移動しているかのような風景を映していた。

 車両の中は大きな部屋だ。窓側にある透明ディスプレイに様々なコンテンツが表示されるほか、テーブルはタッチ可能な巨大ディスプレイとなっている。移動しながら買い物をしたり、映画を見たり。駐車場へ自動で動いてくれたり、不在中に洗車や給油をしてくれるなど様々なサービスが想定されていた。今後、自動運転が実現する中で、移動する中でクルマに乗る人たちの「うれしさ」中心の生活をテーマにつくられたのだそう。

テーブル型のモニタで買い物を疑似体験。

 これらの技術を実現するために、今回あわせて展示していたのがクルマとクラウドを連携させるための車載器「Mobility IoT Core」だ。クルマから吸い上げた様々な情報を制御し、クラウドにあるサービスとのスムーズな連携を目指している。

「Mobility IoT Core」のプロトタイプ。左上にあるモジュールを追加することで、様々なサービスへ拡張できる可能性が広がる。
クルマから吸い上げられるデータのイメージ。
デンソーの描くMaaSのイメージ。

 クラウドサービスと車両の間をつなぐのが「Mobility IoT Core」になる。言わば「ゲートウェイのようなもの」と言えば、わかりやすいだろうか?

 「Mobility IoT Core」を間にはさむことで、通信負担を減らすことができ、例えば通信が不安定なところでもサービスが可能に。クルマの安全性とは別の部分で動くので、クルマ側に負担をかけない。またこのモジュールをつけることで、車種ごとの違いも吸収できるのもメリットだ。

 どこよりも先駆けて具体的なモジュールを開発して発表したデンソー。「夢のMaaS」ではなく、「実現するMaaS」を感じさせる展示だった。

ロボットも欠かせない存在に? レベル0対応で発売開始のクルマも

 自動運転とMaaSは別物だが、それでもやはり関連性は深い。自動車各社は自動運転に向け、MaaSも視野に入れたクルマを展示。共通しているのは、どれも箱型。そしてリビングのような快適性を追求した空間デザインが多かった。例えば、ドイツのサプライヤー企業ボッシュが展示していたIoTシャトル。スマホで簡単に予約、利用ができ、移動中も快適な空間で過ごせるイメージになっている。こちらも例にもれず、箱型デザインだ。

ボッシュが展示したIoTシャトル。

 ほとんどが自動運転を想定したコンセプトカーの展示だった中、実際に2019年からの生産を発表しているのがドイツの自動車メーカーZFの「e.GO Mover」だ。こちらは自動運転のレベル0から4まで対応とのことで、人間が運転しての利用も可能。もちろんMaaSビジネスの展開も考えている。

ZFの「e.GO Mover」

 もうひとつ、目を引いたのが小型ロボットの存在だ。ドイツのサプライヤー、コンチネンタルが発表したのは、クルマから飛び出てくる4つ足のロボット。無人運転を想定した乗り物「CUbE」とともに移動し、個人宅へ宅配を行う。小型のロボットはサンズエリアでも見られ、今後はクルマだけでなくロボットも介したサービスを考えるところが増えそうだと感じた。

コンチネンタルがプレスカンファレンスで発表したイメージ。

 

まだまだサービスの可能性は無限大

 自動運転を念頭に置いたMaaSは、まだまだ開発創生期。今後どんなサービスが乗るか、ソフト面については、無限の可能性を感じつつも、実際にサービスを提供するための「現実的な一歩」も今回展示されていた。もしかしたら完全自動運転より、半自動、もしくは現在のUberのような人の手を使ったMaaSのほうが少し早く目にすることができるかも。そんな期待を持たせられた展示だった。

■ミノシマタカコ
WEBコンテンツ業界で企画・ディレクションを経験した後、フリーライターに。現在は幅広いジャンルでお仕事中。https://minokiti.themedia.jp/

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