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「増田セバスチャン×クロード・モネ」と音楽家 松本淳一らがコラボ 音のVRで進化した展示を体験

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 2018年7月から箱根・ポーラ美術館で開催されている『増田セバスチャン×クロード・モネ “Point-Rhythm World 2018 -モネの小宇宙-“』が、11月15日から“音のVR”によって進化を遂げた。筆者は「サウンドプロジェクト2.0 点音の森の宇宙」と副題がついた新たな展示の開催初日、同美術館を訪ねて実際に展示を体験したほか、増田セバスチャン、音楽家の松本淳一から展示への思いを聞いた。

 ポーラ美術館に収蔵されているモネの不朽の名作「睡蓮の池」ーー増田セバスチャンが7月から展示しているのは、その作品からインスピレーションを受け、世界中から集めた素材を用いて、立体的空間の中で同作を体感できる展示だ。

 今回は「サウンドプロジェクト2.0」と銘打ち、NHKエンタープライズと音楽家の松本淳一とのコラボレーションを実施。ソニー・デジタル エンタテインメント、スピーディの企画で“音の点描”が体感できる展示が完成した。

 展示を実際に体験してみると、絵の“点描”のように独立した音が空間の中でデザインされている。立つ場所によって聴こえる音も異なるため、移動しながら楽しめるほか、同じ展示でもその時立つ場所、移動する場所によって、違う音体験を得ることができるようになっているというのだ。

 これはソニーが今年ローンチしたばかりの空間音響技術によるもの。まるで上や横にスピーカーがあるかのように聴こえたのだが、実際は全面上方にある1列に並んだ96個の特殊スピーカーで構成されている。22.2chサラウンドや他の360度サウンドのスピーカーとは違う趣きとなっており、耳元に音があるかのように演出することができる新しい技術だ。

 様々な素材によって構成された、立体的、そして現代的な「睡蓮の池」の世界。その中を浮遊する音の粒とのコラボレーションは、音楽が流れる15分間があっという間に感じるほど、多くの刺激を与えてくれる。視覚、聴覚に加え、ある種記憶にまで訴えるような、新しい没入体験ができる展示となっていた。

増田セバスチャン「“共感覚”をデジタルで追体験できるように」

 誰もが知るモネの「睡蓮の池」をじっくりと眺めた増田氏は、描かれた点描のなかに印象派がもつ美しい世界とは裏腹に、荒々しい力強さを感じたという。その印象を現代的解釈で立体の作品に仕上げた。

増田セバスチャン

「遠くから見た地球は青くて美しく見えますが、近づくと様々な人種、宗教などいろいろなものが集まり、ミックスされています。この作品も近づくと様々なマテリアルが重なり合っています」(増田氏)

 2Dの絵画として表現されているモネの世界をベースに、レイヤーを重ねるような表現で立体的な空間を作り上げている。そこに新たなVR音響技術を加えることによって、よりふくよかな表現を目指した。それが“音の点描”というアイデアだ。

「いろいろなところに音がちりばめられていて、それがあるポイントで合わさっていくような世界観を目指しました。また音を聞くことで、風景や色などが浮かぶ“共感覚”というものを、デジタルで追体験できるようにと松本氏と話しました」(増田氏)

 また、モネが絵画の中で表現した、目には見えるけれども、写真には映らない水面のきらめきなどから、リアルな体験の奥にある感覚の表現も目指したという。

「今まではインスタレーションだった作品が、音が加わることで劇的な、シアター的なものになったと思います。でもこれはまだ作品としては“2.0”なんです。いわば初号機で、今しかできない生っぽい体験ができる作品となっています」(増田氏)

 最後に、これから訪れる人へメッセージをもらった。

「この作品は、動画で観ても全くわからない。音楽だけ聴いてもわからない。いろんなものが合わさって表現されてるので、ここに来ないと体験できないものです。今はインターネット時代でなんでもダウンロードできますが、ダウンロードできないものがここにあります。2週間しか展示期間がないですが、ぜひ箱根まできてください」(増田氏)

      

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