90年代と今はここが違う! 映画『SUNNY』が描くテクノロジーとコミュニケーションの変化

90年代と今はここが違う! 映画『SUNNY』が描くテクノロジーとコミュニケーションの変化

 コギャル文化全盛の90年代半ばに高校時代を過ごした女性たちの友情を描く『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が現在公開中だ。今さら90年代をネタにすることに一抹の不安もあったが、さすがは『モテキ』や『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』などで若者文化を映像に落とし込んできた大根仁監督。制服の着こなしから小物、女の子たちのテンションまで抜かりなく当時を再現する手腕には脱帽した。当時コギャル文化を謳歌した人はもちろん、経験しなかった人にも、独特の時代の空気のようなものが感じられる作品になっているのではないかと思う。

 本作では主人公の奈美(広瀬すず/篠原涼子)が転校先の学校で芹香(山本舞香/板谷由夏)らと出会い、仲良くなっていく過程を描いた高校生編と、それぞれの道を歩んだ彼女たちが再会を果たす大人編が交互に語られる。その中で、最も時代の変化を表すアイテムといえばスマホだろう。90年代半ばといえば、高校生たちの間ではまだまだポケベルが主流で、PHSや携帯もあるにはあったが、それほどの普及していなかった。当然SNSなどというものは存在せず、直接顔を合わせたことのある範囲の人間関係で日々はまわっていた。


 スマホや携帯がないから当然写真を撮るにはカメラが必要だったのもこの時代らしい。重宝したのはインスタントカメラ。誰もが鞄に忍ばせ、暇さえあれば友人たちと写真を撮りあった。現像した写真にポスカで落書きしたりする様子は、今でいう「SNOW」で画像加工する行為にもよく似ている。ツールこそ違えどやっていることは変わらないのが面白い。

 また、劇中ではグループの一員でもある奈々(池田エライザ)が、当時大流行した雑誌『egg』のモデルという設定。インターネットが一般的でなかったこの頃、メディアの中心は雑誌やテレビであり、「スーパー高校生」なる人気者も登場した。街で編集者に声をかけられ、雑誌に載ることは選ばれし者の証だった。今のようにInstagramやTwitterを通して、誰もが世界中に自分の存在をアピールできる時代が来るとは思いもよらなかっただろう。

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