音楽は“聴く”から“感じる”時代へーー落合陽一らによる『耳で聴かない音楽会』を機に考察

音楽は“聴く”から“感じる”時代へ

鼓膜を使わないというアプローチ、骨伝導イヤホンの可能性

 聴覚障害者が音楽を楽しむ方法がもう一つある。それが骨伝導分野で高い技術を誇る大阪のゴールデンダンス株式会社とスタートアップ企業・BoCoが開発した「earsopen」だ。earsopenは骨伝導を用いた全く新しいイヤホンで、鼓膜を使うことなく聴覚障害者と健常者が同じように音楽を楽しむことができるように設計されている。クラウドファンディングでなんと1億円以上を集め、すでに先天性の聴覚障害者が音楽を聴くソリューションの一つになっている。

音楽を拡張するテクノロジー

 これら2つの試みが体現するように、音楽は“聴く”という行為から、体で感じる“体験”へとシフトしてきている。ウェアラブルの潮流が生活を便利にするだけではなく、義手や義足と同じようにギャップを埋め、誰もが音楽を楽しめる世の中を形作っていくことに期待したい。

■げんきくん
UXライター。Webサービスとテクノロジー、あとオカルト、宗教、デザイン、アメコミに興味があります。
Twitter:@genkl_kun

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