英米チャートでロック需要はなぜ異なるのか The Rolling Stones新作の動向から歴史的背景を考える
The Rolling Stones 18年ぶりの新アルバムが全英チャートでは首位を獲得した一方で、全米チャートでは3位に留まっ…
ここまでおバカで、ファニーなエロ・バンドがいまだかつて存在しただろうか。歌詞はオナラや下痢、さらにはマスターベーションといった下ネタのオン・パレード。そんな下品な歌詞を、ポップでファストなメロディアス・パンクにのせて吐きまくるといった具合なのだ。——90年代初頭、マーク・ポッパス(vo&b)とトム・デロング(vo&g)を中心に、地元サンディエゴで結成。後にスコット・レイナーをドラムに迎え、終わりなき「ギグ道」を突き進む。93年に自主制作盤「Fly Swatter EP」を発表、さらにデモ・トラックをFiter Recordsよりリリース。94年にはデビュー・アルバム『Cheshire Cat』をリリースし、スケート・ボードやスノー・ボードなどのアクション・スポーツ・シーンと相乗し合いながら、人気を博していく。その勢いを買われて、97年にはセカンド・アルバム『デュード・ランチ』でメジャー・デビューを果たした。その後、ドラマーがトラヴィス・バーカーに交替しているが、99年には、通算3枚目となる『エニマ・オブ・アメリカ』を完成させている。ちなみにこのタイトルの意味は「アメリカの浣腸」である。すっきり爽快な気分にさせてくれる楽曲と、下品な歌詞。——しかし思い返してみると、この陽気な下品は、少年時代の友達との会話にも頻繁に登場していた類のものだ。無邪気さからくる無垢な品のなさ。だから、いくらおちゃらけていても人を嘲り笑うような無粋さはなく、「笑い」を共有しようとするピュアな姿勢がある。じゃなきゃ、真っ裸でビデオ・クリップには出演できない。だからこそストレートに心に響いてくるのだ。
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