ライブハウスには昔、テーブルとイスが当たり前にあったーー兵庫慎司が振り返るバンドと客の30年
昔、ライブハウスのフロアには、テーブルとイスが出ていた。 ちょっとびっくりする事実だ。伝聞ではなく実体験として知ってい…
現在はニューエスト・モデルと合体し、ソウル・フラワー・ユニオン名義で活動しているが、もともとこのふたつのバンドは共同でインディ・レーベルを運営する仲で、上京も一緒のタイミングだった。メスカリンの結成は84年。93年にソウル・フラワー・ユニオンとなるまでに、4枚のアルバムをリリースしている。現在のソウル・フラワーとの共通項をあげると、独立精神が旺盛で単なるコピー文化にならない新しい音楽の創造——という理念的なことになるが、そういったテーゼを80年代後半〜90年代前半の空気の中で、サイケ・パンクといった極彩色のロック・サウンドで奏でていたのがメスカリンだったわけである。女性がメインとなったロック・バンドも、この頃には既に必ずしも珍しいものではなかったが、内海洋子のジャニスばりのド迫力唱法といい、イデオロギッシュでラジカルな楽曲といい、アクの強さという点では突出した存在であった。
内海は真心ブラザーズ等々のバック・ヴォーカルでもレギュラー・メンバーとして活躍中。永野かおり(b)はザ・スリー・ピースに加入。そっちではフレンドリーな笑顔で陽性のベースを弾いています。 (小池清彦)
昔、ライブハウスのフロアには、テーブルとイスが出ていた。 ちょっとびっくりする事実だ。伝聞ではなく実体験として知ってい…