『さよならノワール』“鴨居”岡山天音が見せた素顔 Pink Floyd「Time」が20年に重なる

『さよならノワール』“鴨居”岡山天音の素顔

 フジテレビ系ドラマ『さよならノワール』第9話では、刑事課の鴨居(岡山天音)が抱えてきた20年前の事件が明らかになる。いつもは淡々と皮肉を口にし、どこか一歩引いたところから周囲を見ている鴨居。そんな彼が初めて冷静さを失い、妹を奪った男と向き合うことになった。

 新宿中央署の管轄で、9歳の少女・上川陽菜(佐藤恋和)が男に誘拐され、自力で逃げ出して保護された。犯人はいまだ捕まっておらず、西池袋署にも警戒を強めるよう指示が下る。鴨居は「新宿中央署へ応援に行きたい」と申し出るが、署長の妹尾(利重剛)からは西池袋署に残るよう命じられる。いつもの鴨居からすれば、明らかに様子がおかしい。

 Pink Floydの「Time」を聴きながら、鴨居は絵梨子(北香那)に「長い時間ってどれくらいのことを言うと思う?」と問いかける。「Time」は、過ぎ去っていく時間や、気づかぬうちに失われていく年月を歌った楽曲だ。この時点では唐突にも聞こえる問いかけだが、後に明らかになる鴨居の過去を知れば、その選曲にも意味が見えてくる。妹を失った13歳のあの日から20年。鴨居にとって時間は過ぎていても、事件だけは決して過去になっていなかったのだ。

 その問いかけの意味がはっきりするのは、誘拐事件の犯人が熊沢(杉山圭一)だと判明してからだ。熊沢は20年前にも、当時8歳だった晶子(伊藤かれん)を誘拐していた。晶子は逃げようとしてベランダから飛び降り、そのまま命を落としている。そして彼女こそ、鴨居の実の妹だった。

 当時18歳だった熊沢は少年法により保護処分となり、実名も報じられなかった。一方、被害者である鴨居の家族には報道が殺到し、両親も事件後に相次いで亡くなっている。鴨居にとっての「長い時間」とは、妹を失った13歳のあの日から続く20年だったのだろう。

 それでも鴨居は、食事に誘ってくれた絵梨子に「もう乗り越えてる」と笑ってみせる。だが、無断で熊沢について聞き込みを続け、街中で似た男を見つければ血相を変えて追いかける。その笑顔とは裏腹に、20年前の出来事が今も鴨居の中に残り続けていることは明らかだった。

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