『ヤマトよ永遠に REBEL3199』宮川彬良×兼松衆対談 節目に語る“音楽の継承”と“新たな挑戦”

『ヤマトよ永遠に』宮川彬良×兼松衆対談

『ヤマト』の音楽は全部の曲にメロディがある

(左から)兼松衆、宮川彬良

ーー宮川さんは以前、兼松さんを音楽に加えることになった理由として、『ヤマト』的な音楽を次代に継承するためといった話をしていました。2年が経って、次代への継承なり劇伴的なものへのアプローチの仕方というのが伝わっていると感じていますか?

宮川:僕のほうが勉強させてもらっている感が今は強いですね。現実問題、継承はしなきゃいけない面もあって、次世代に大切にしていることが理解されて、伝わっていくことにはもちろん期待している。ただ、これをやらなくてはいけない、逆に言うとこれだけ伝えていればOKだからっていう、そういうものはないんだよね。その都度新たな発見があって、やっぱり自分より若い世代の人が、僕の持ち得ないような感覚をちゃんと使ってフル活用してやってくれてるっていうことが、非常に価値のあることなんだよね。それが継承なのかどうか分からないけど、大きな意味ですごくクリエイティブにやっていこうねってことは伝わったに違いないと思ってます。

ーー宮川さんは、兼松さんの音楽の作り方とかメロディラインの乗せ方、あるいは兼松さんが使うデジタルも含めた新しい楽器から何か刺激を受けて、音楽的なプラスアルファを得られたようなところはありますか。

宮川:そういうこともあるよね。「弦楽四重奏」とか、やっぱこうやって作るんだって、俺にはちょっとできないけど、やっぱりそうなんだみたいな答え合わせ感はある。けれどもそういうことよりも、やっぱり福井さんのシナリオも画も、全部現代を描こうとしてるわけ。未来の話だけど、やっぱり現代を描こうとしていて、今のなんだか気持ち悪く圧迫されるような感覚とか、この社会の向こう側に本当のことがあるんじゃないかっていうような感覚とか、そういう今目の前にあることを描こうとしているのね。その感覚をものにしていて表現することが、今を生きている兼松さんにはすごく自然なこととしてできているんだよね。

ーー同時代人としてですね。

宮川:僕なんかとはやっぱりちょっと違う時代を生きてきたのかな。そういうことはあるよね。だからアプローチがちょっとずつ違うわけで、それがすごく勉強にもなる。すごいなって思ったり、僕にはできないことだな、良かったなって。きっと兼松さんがいたからこの作品が豊かで振れ幅の広い音楽を得て、いろんな人の共感を得る作品になったんだろうなって思うね。

(左から)宮川彬良、兼松衆

ーー兼松さんは宮川さんが話したような現代ならではの感性を乗せている感じですか?

兼松:特別にヤマトのスタイルにしなさいとも言われなかったし、今っぽくしなさいとも言われなかったですね。割と様子を見てくださったんだなと思います。

ーー『3199』シリーズに関わってきて得られたものはありましたか? 宮川彬良さんより以前の宮川泰さんも含めた音楽的なものを吸収して次に繋げるといったような。

兼松:吸収というか、この現場は本当に勉強することばかりでした。昔のスコアを今に蘇らせる作業でも、初めて見るやり方がありましたね。単に復刻しているっていうよりかは、今のテクノロジーも使いながら根幹は当時のスタイルでやるということを間近で見て、自分も参加して一緒に作らせていただいたのは、とても得難い経験だったなと思います。

宮川:むしろ僕はちょっと本当のことを知りたいなと思うことがあるんだよね。あの当時、録音をどうやってたのかなっていうのはちょっと知りたくて。それを再現したいわけではないんだけど、戦闘シーンの3分30秒の音楽をこのテンポでここからここまでリピートしてくださいって言われていて、今それを録音しようとすると、これは無理ですって結構言われるんです。当時のミュージシャンは本当にこれをバーッって録音したのかなって。金管楽器とか本当にタフなんだよ。

兼松:休みなしに吹いている感じですね。

宮川:そうそう。休みなく吹くの、3分間を。当時と同じ譜面を目の前に置いてやっているはずなんだけど、何が違うんだろうっていうのはあるね。現代のオーケストラの人たちが弱くなったのか、一人ひとりが昔よりもエネルギッシュに演奏しているから、曲の中でエネルギーを使い果たしてしまうのか。もしかしたら当時も、ここで休んで後でダビングしましょうって奥の手を使っていたのかもしれない。どういう雰囲気でやっていたのかというのをちょっと知りたいですね。

ーー演奏時の熱量も含めて現れるのが『ヤマト』の音楽ということかもしれないですね。

宮川:最初の『ヤマト』の頃って、そこまで真っ黒な譜面じゃなかったんですよ。それがどんどんと譜面が黒くなっていく。何年もやっていくなかでそうなっていくんだよね。それをミュージシャンたちがどのように受け止めていたのか、「先生これ(吹くの)はないですよ」って言ってたのか、『ヤマト』だからしょうがいないね、やろうよって雰囲気だったのか。知りたいねえ。

兼松衆

ーーそんな当時の熱を受け継ぎつつ、新しい要素も加えながら進んできた新しい『宇宙戦艦ヤマト』の音楽ですが、『REBEL3199』のサウンドトラック第2弾も発売されることになって、大勢の人に新時代のヤマトの音楽を聴いてもらうことになります。ここを聴いてほしいというところはありますか?

兼松:さんざん話してきましたけど、『ヤマト』の音楽は、やっぱり全部の曲にメロディがあります。それは主題曲だけではなくて、それこそメロディがない曲がないくらい全部の曲にメロディがあるので、自分が良いなと思えるような曲を探して聴いていただけるといいかなと思っています。

ーー宮川さんとしては、父親の泰さんのときから引き継いできた『ヤマト』のすべての曲を聴いてほしいという気持ちですか?

宮川:できるだけ聴かないでほしいけど、そうもいかないよね(笑)。

ーー意外な言葉です。

宮川:聴いてほしいのはやまやまだけど、僕としてはちょっと複雑なものがあるんだよね。“推し”の文化がすごく発達して、それでディープな『ヤマト』のファンが作品を支えてくれているところがあって、そういうファンの方が僕より『ヤマト』の音楽について詳しいからね。ここは違いますとか、ここのテンポはこれで良いんですといったマニアックなところを言ってくれるけど、もっと自由になろうよって。それをどう具体的な言葉で提案したら、僕が思っていることが伝わるのかがちょっと分からないけど。

ーーあまり硬直的というか教条的にならないでということですか?

宮川:『ヤマト』の中だけのことに音楽をしないでほしいということだね。音楽という大きなものを『ヤマト』というカゴに入れないでほしいっていうのは、なんとなく感じてることなのね。『ヤマト』の音楽から音楽が好きになりましたというのはいい。だけど、『ヤマト』の音楽しか音楽じゃありませんと思っちゃったり、雪がこのときにこうした曲だから良いというのは、音楽を聴く上でバイアスになっているかもしれない。あまり焦げるほど愛さないでほしいということを言いたい自分がずっといる。それが自分の言うべきことのような気がしてしょうがない。みんなの音楽文化を次に進めてあげたいっていう、余計なことを考えてしまうんだよね。

ーー宮川泰から宮川彬良へと受け継がれ、兼松衆も加わって作られた『宇宙戦艦ヤマト』のための音楽が、音楽そのものとして移り広がっていってほしいということかもしれないですね。

宮川:そうそう。そういうことを通じて、自分たちの子供や次の世代に何かを伝えていきたいよね。『ヤマト』の音楽が良いということだけじゃなくて、もっと本質的なことを伝えていきたいという気持ちだね。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』オリジナル・サウンドトラック Vol.02 ジャケットイラスト

■リリース情報
『ヤマトよ永遠に REBEL3199』主題歌集
10月30日(金)発売
価格:3,300円(税込)
仕様:UHQCD仕様(1枚組)
品番:LACA-25307
アーティスト:V.A.
収録曲:
01. ささきいさお「宇宙戦艦ヤマト(3199OP Ver.)」
02. 岩崎宏美「銀河伝説」
03. 小野大輔「Reach for the Star」
04. TRUE「ユーレカ」
05. サーシャ(CV:潘めぐみ)「ひかりのなみ」
06. 緒方恵美「Persona」
07. Nowlu「itoi」
ほか、全9曲収録予定
発売元:バンダイナムコミュージックライブ
販売元:バンダイナムコフィルムワークス

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』オリジナル・サウンドトラックVol.02
10月30日(金)発売
価格:4,180円(税込)
仕様:UHQCD仕様(2枚組)
品番:LACA-19201~19202
音楽:宮川彬良・兼松衆
発売元:バンダイナムコミュージックライブ
販売元:バンダイナムコフィルムワークス

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』オリジナル・サウンドトラック Vol.02【特別限定盤】
※販路限定商品(A-on STORE/YAMATO CREW/劇場)
10月30日(金)発売
価格:15,180円(税込)
仕様:UHQCD仕様 2枚組+キャンバスボード 2種(OST Vol.01&02ジャケットデザイン/各333×333mm)
品番:LACZ-10377~10378
※初回生産限定

■公開情報
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第七章 虹色の輪廻』
10月30日(金)上映開始
キャスト:小野大輔、桑島法子、潘めぐみ、山寺宏一、大塚芳忠、鈴村健一、畠中祐、上村祐翔、鳥海浩輔、松本忍、塩田朋子、玄田哲章、小島敏彦、古川慎、堀江瞬、江口拓也、井上麻里奈、内田直哉
原作:西﨑義展
総監督:福井晴敏
監督:ヤマトナオミチ
シリーズ構成・脚本:福井晴敏
脚本:岡秀樹
キャラクターデザイン:結城信輝
メカニカルデザイン:玉盛順一朗・石津泰志・明貴美加
CGプロデューサー:後藤浩幸
CGディレクター:上地正祐
音楽:宮川彬良・兼松衆/宮川泰
音響監督:吉田知弘
アニメーション制作:サテライト
アニメーション制作協力:studio MOTHER・YANCHESTER
配給:松竹ODS事業室
製作:宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
公式サイト:https://starblazers-yamato.net
公式X(旧Twitter):@new_yamato_2199

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