『田鎖ブラザーズ』“愛”がゆえに隠されてきた真実 “いい大人”たちが全員怪し過ぎる

温かな大人たちは、本当に味方なのか

だからこそ、2人に対して温かな視線を向けてきた人物たちが事件に関与しているのではないかと心がざわつく。津田が持っていた鍵を兄弟から「やめとけ」と取り上げようとした真の上司・小池(岸谷五朗)は、やはり両親殺害事件を追っていた刑事の1人だった。あの夜、津田にはアリバイがあったと話す小池。居酒屋の防犯カメラに映っていたのだという。だが、そこには捜査二課が追っていた政治家の姿もあった。そのため、正式な捜査資料には残っていないのだとも。もはや、その政治家が辛島金属工場の違法製造との関わりがないとも言えないのではないかと、結びつけて考えてしまう。
また「津田って男は?」と聞いてきた“もっちゃん”こと、茂木(山中崇)もまた火災の被害者ではありながら、その行動がどうにも気になる。稔の「病気で死んだ」という言葉に浮かべた驚きの表情も、「まだ終わってない」という言葉に少し動揺した眼差しも、何か私たちの知らない真実ゆえのものに見えて仕方ない。そんなもっちゃんとともに兄弟を姉のように支えてきた晴子(井川遥)も、父親の存在を語るものの、彼女からは実の家族の匂いがあまりしてこない。むしろ、事件当日にあの時間に田鎖家の前を通りがかったことも偶然とは思えない。2人も、何か親の因果によって、事件に関わらざるを得ない状況にいたとしたら……と、想像が膨らむ。

そして、なぜか津田が電話番号のメモを握りしめていた辛島ふみ(仙道敦子)も、あの柔和な笑みの奥に何かを隠している様子が見て取れた。夫の貞夫(長江英和)の様子が、かつての快活さを失っていた。そんな貞夫に「大丈夫よ、あなたはなんにも心配しなくていいから」と声をかけるふみ。そのやりとりから、この夫婦にも何か事情があったことがうかがえる。こうなると、かつてふみが車椅子生活を余儀なくされた山岳事故も、何か関連しているのではとさえ思えてくる。

「わからない」ということは、「守られていた」ということでもあるのだ。親の苦労を、子に見せないということも、そのひとつなのだろう。だが、その片鱗に気づいてしまったら、人は見て見ぬふりはできない。自分の知らないところで何が起きていたのか。それが、自分を守ってくれたことであれば、なおさらだ。愛ゆえに伏せられてきた真実。子どもたちを守るために、大人たちが必死に隠してきたものを暴いていく。それは、せっかくの愛を跳ね返すことになってしまうのか。ここから先、兄弟はそんなジレンマと戦うことになりそうだ。
■放送情報
金曜ドラマ『田鎖ブラザーズ』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:岡田将生、染谷将太、中条あやみ、宮近海斗、和田正人、飯尾和樹(ずん)、長江英和、山中崇、仙道敦子、井川遥、岸谷五朗
脚本:渡辺啓
音楽:富貴晴美
主題歌:森山直太朗「愛々」(ユニバーサル ミュージック)
演出:山本剛義、坂上卓哉、川口結
プロデュース:新井順子
撮影監督:宗賢次郎
編成:高柳健人、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/TAGUSARI_bros/
公式X(旧Twitter):@tagusari_tbs
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