『風、薫る』生田絵梨花の涙と笑顔が多江の“リアル”に バーンズ先生“地獄耳の天狗”のオチも

NHK連続テレビ小説『風、薫る』第6週「天泣の教室」第30話では、りん(見上愛)や直美(上坂樹里)たち7人がバーンズ(エマ・ハワード)から実習服を渡され、いよいよ病院での看護の実習に臨むこととなる。そこに至る導入として描かれているのが、多江(生田絵梨花)が改めて看護婦を志すエピソードである。
結婚して出産し、その子に実家の病院を継がせるべく、医学生との見合いが予定されていた多江。寮で退学の意思を告白した直後、彼女は発熱して倒れてしまう。しかし、生徒たちやバーンズから看病されることで、多江は本当の看護を知ることになる。

シーツのしわ、喉の渇き、換気、「大丈夫?」という過度な心配……りんたちは、かつて課題で学んだはずのナイチンゲールの言葉――「看護婦のまさに基本は患者が何を感じているかを、患者につらい思いをさせて言わせることなく、患者の表情に表れるあらゆる変化から読み取ることができることなのである」という、看護の基礎である「観察」を全く実践できていなかったのだ。
そんな中、多江の父・仙太郎(吉岡睦雄)がやって来る。体調を崩した娘を案じて来たのではなく、見合いの日取りになっても帰宅しないため、単に連れ戻しに来たのだった。
多江がいる前で、断りもなしに家の事情をペラペラと話す父に、多江は「患者の気持ちを考えてください」と意見し、「私、看護婦になります」と宣言する。

嫁入り修行の腰掛けではなく、一生の仕事として看護婦になりたいと心から思うようになったのは、病に苦しむ患者を近くで観察し、的確に寄り添うバーンズの看護を自ら受けたからにほかならない。
「そばにいることは医者なんかにやらせてあげられない仕事です」「私が看護婦として働くのを認めてくれない人とは結婚はしません」と、多江は潤ませた瞳で真っ直ぐに父を見つめ、説得する。

日本初のトレインドナースを目指し、看護婦養成所の1期生として入学した7人。先代がいない道なき道を歩き出す不安の中で、私たちはどうして看護婦になるのか――その意思を、多江がほかのメンバーの分まで代弁して語ってくれたような気がした。それぞれ境遇や養成所に入った動機は違っても、看護婦になりたいという思いは一つだ。強情だった多江がポロポロと涙を流し、晴れやかな笑顔を浮かべる。
ここで特筆すべきは、看護を受ける多江のリアルな弱った表情だ。多江を演じる生田絵梨花は、生徒たちやバーンズから看護を受けるシーンの収録時、「私自身も少しだけ調子が悪くて。それもあり、自分の弱さや仲間の優しさ、何より看護のありがたみがリアルに身にしみました」と明かしている(『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 風、薫る Part1』より)。
実はバーンズが最初から日本語を話せる“地獄耳の天狗”だったという微笑ましいオチもつきつつ、7人はカチューシャのようなヘアバンドを身につけ、真新しい実習服へと着替えた。

バーンズの「Let’s go!」を合図に、りんたちは帝都医科大学附属病院での実習へと向かっていく。公式サイトの人物相関図も一新され、予告にも映し出されている教授の今井益男(古川雄大)をはじめ、りんが受け持つことになる患者には和泉千佳子(仲間由紀恵)が登場。一層の盛り上がりを見せていきそうだ。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK






















