永作博美×松山ケンイチに流れる心地よい空気感 『時すでにおスシ!?』が描く大人の再出発

「拳下ろしてみな~。目の前にいる人、案外敵じゃないかもよ」
みなと(永作博美)の親友・泉美(有働由美子)の口から、全人類が心得るべき格言が飛び出した『時すでにおスシ!?』(TBS系)第3話。胡桃(ファーストサマーウイカ)に焦点が当たるとともに、大江戸(松山ケンイチ)の過去が明らかとなった。

大江戸が、かつて店主として営んでいた鮨屋で弟子に暴力を振るい、閉店に追い込まれたというニュース記事を見つけてきた胡桃。記事の内容を認める大江戸に対し、学長の横田(関根勤)はしばらくの出勤停止を命じる。しかし、実際は暴力と言っても胸ぐらを掴むに留まっており、それも弟子に嵌められたと言って差し支えない状況だった。
ただ、結果的にスタッフは全員大江戸の元から去り、お店を閉めることに。それを見かねた修行時代の師匠・土方(金田明夫)が横田に口利きし、大江戸を鮨アカデミーの講師にしてもらったのだ。ちなみに大江戸と横田の間で交わしていた「おスシ」の約束とは、「大きな声を出して、生徒を怖がらせない」「鋭い視線で生徒を刺さない」「しっかり全員卒業まで見届ける」の3つ。大江戸が生徒たちに声を荒げるたび、「しまった」という顔をしていたのはそのためだった。

さて、そんな事情も知らず、一方的に大江戸を責めてしまった胡桃。森(山時聡真)に「どうせ自分だけ不合格になった腹いせに、粗探ししてて見つけたとかじゃないんですか?」と痛いところを突かれ、ばつが悪いのか、彼女もまた学校に来なくなってしまう。だが、その間も胡桃に落ち込んでいる時間は一瞬たりともない。
邪念を取り払うべくランニングで体を動かし、別の鮨アカデミー探しに勤しむなど、どこまでも効率的でストイック。男性比率が高く、基本的に成果主義のコンサル業界で、胡桃は生き抜くためにこれまで必死に頑張ってきたのだろう。油断して出し抜かれないよう、心の中で常にファイティングポーズを取って。だが、振り上げた拳はともすれば自分もダメージを受けかねない諸刃の剣でもある。事実、胡桃は「上っ面の技術をなぞっただけの職人にはなってほしくない」と鮨職人としての心得まで教え込もうとしてくれていた師を失いかけ、教室にも居づらくなって、知らぬ間にその精神的な負担が耳鳴りという形で体にも現れ始めていた。





















