黒崎煌代が日本の話題作を席巻する理由 『ブギウギ』から『サバ缶』へ“規格外”の現在地

それにしても、テレビの画面内に黒崎がいるというのは、なんだか不思議な感じだ。
朝ドラ『ブギウギ』(2023年度後期/NHK総合)にてヒロインの弟・花田六郎役に抜擢されて一躍お茶の間の人気者となった彼だが、俳優活動におけるメインステージは映画シーン。長編映画『さよなら ほやマン』(2023年)でメインキャストのひとりを務めてからというもの、“日本の話題作に黒崎の姿あり”である。

2025年の4月に『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が封切られて以降、今日までに5作もの出演映画が公開。その中でも主演を務めた『見はらし世代』は第78回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、多くの映画ファンを虜にした。令和の日本の都市で生活する若者を演じた本作は、カルチュラルでポップでアーティスティックで、これから長く続いていくであろう黒崎の俳優人生において、いつまでも“代表作”であり続けるに違いない。
同世代の若手俳優が集った『万事快調〈オール・グリーンズ〉』でも存在感を示し、封切られたばかりの『脛擦りの森』では等身大の演技を展開しながらも幻想的な世界観を背負っている。監督の演出力に拠るところも大きいのだろうが、黒崎自身の適応力と表現力の高さを感じるというものだ。この6月に公開される濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』は、5月から開催の第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映される。これらの事実を前に、多くのオーディエンスが黒崎のことを“映画俳優”と捉えているだろう。

しかしだ、じつは彼が俳優デビューを果たしてから、まだ3年も経っていない。世界に向けて配信中のドラマ『九条の大罪』(Netflix)にも重要人物のひとりとして出演しているが、演技者として生きてきた時間でいうと、まだ新人なのである。が、彼のことを「新人」だとする観客がどれくらいいるだろうか。黒崎がいるからこそ見えてくる、日本映画の未来というものだってあるだろう。その猪突猛進ぶりに触れていると、ついていけない気がしてくるのだ。
たしかに黒崎煌代は若手俳優の中でも規格外の存在だ。日本のシーン全体を振り返ってみるといい。彼のような存在はほかにいないだろう。しかし、この規格外の存在はきっと、観客/視聴者を置き去りにはしない。『サバ缶』の第1話で主演の北村と演じてみせた衝突は、他者を排除しようとするようなものではなかった。

創亮と朝野の対立関係こそがドラマに発展するかと思ったが、この予想は早々に裏切られることとなった。彼らは対立しない。手を組む。この夢を追うチームの中心人物を、黒崎は演じていくこととなる。私たちは黒崎についていけるかどうか──。凄まじいほどの飛躍は、まだまだ続くだろう。しかしその骨と温もりのある演技が私たちを置いていくことはないはずだ。
■放送情報
『サバ缶、宇宙へ行く』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:北村匠海、出口夏希、黒崎煌代、八嶋智人、三宅弘城、村川絵梨、佐戸井けん太、熊切あさ美、吉本実由、ソニン、迫田孝也、鈴木浩介、荒川良々、神木隆之介、井上芳雄(語り)ほか
原案:『さばの缶づめ、宇宙へいく』(小坂康之、林公代/イースト・プレス)
脚本:徳永友一
音楽:眞鍋昭大
主題歌:Vaundy『イデアが溢れて眠れない』(SDR/Sony Music Entertainment)
演出:鈴木雅之、西岡和宏、髙橋洋人
プロデュース:石井浩二
プロデューサー:野田悠介、中沢晋
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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