“宇宙”を描く学園ドラマはなぜ増えたのか? 『サバ缶、宇宙へ行く』に寄せる大きな期待

『サバ缶、宇宙へ行く』に期待したい理由

 春クールの新作ドラマの放送が次々と始まっているが、一番楽しみな作品は、4月13日から月9(フジテレビ月曜夜9時枠)で放送される『サバ缶、宇宙へ行く』だ。

 本作は、福井県の若狭水産高校を舞台にした学園ドラマで、主人公は新米高校教師の朝野峻一(北村匠海)。ダイビングが趣味の朝野は、海辺の町で教師になるという夢を叶え、嬉々として登校するが、実は若狭水産高校は、少子化と普通科高校より学費がかかることが原因で、統廃合の危機に直面していた。だが、生徒、同僚、そして街の人々に話を詳しく聞いていく中で、朝野は自分のやるべきことを考え、やがて、生徒たちと宇宙食を開発するという、大きな夢に挑戦する。

 本作の原案となっているのは高校教師の小坂康之と地元出身のライターの林公代によるノンフィクション『さばの缶づめ、宇宙へいく』(イースト・プレス)。高校生たちが宇宙日本食として作ったサバの缶詰がJAXA(宇宙航空研究開発機構)に認証されて、国際宇宙ステーションで宇宙飛行士たちがサバ缶を食べるまでの歳月を描く。

 脚本は『はたらく細胞』や『翔んで埼玉』シリーズなどの映画や、ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)シリーズなどを手掛けた徳永友一が担当しており、実話を基にしたオリジナルストーリーとなっている。コメディを得意とする徳永が脚本を手掛けるため、楽しい学園ドラマとなりそうだが、注目したいのが『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)や『若者たち2014』(フジテレビ系)を手掛けた石井浩二のプロデュースだということ。

 石井が手掛けるドラマは、シリアスと笑いのバランスが絶妙で、中でも坂元裕二が脚本を担当した『それでも、生きてゆく』は、少年犯罪を題材にしたシリアスな物語の中に気まずい笑いが散りばめられた名作ドラマとなっていた。チーフ演出は、コメディテイストのドラマを多数手掛けている鈴木雅之が担当するため、笑いに満ちた学園ドラマとなりそうな本作だが、石井がプロデュースしているため、一筋縄ではいかないドラマになるのではないかと期待できる。

 そう感じるのが、本作が宇宙を題材にした学園ドラマだからかもしれない。

 定時制高校の生徒たちが火星のクレーターを再現する実験を繰り返すことで、学ぶことの楽しさを知っていく『宙わたる教室』(NHK総合)や、スクールロイヤーの弁護士が赴任した私立高校で天文部の顧問となり、法律と宇宙について学ぶことで生徒たちとともに成長していく『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジテレビ系)など、近年のテレビドラマでは天文を題材に学ぶことの楽しさを描いた学園ドラマが増えており、元天文部の女性4人が大人になって再会して、超小型人工衛星を打ち上げることで宇宙を目指す『いつか、無重力の宙で』(NHK総合)のような、大人の青春ドラマも作られている。

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