第49回日本アカデミー賞最優秀監督賞は『国宝』李相日 「映画で戦う価値は十分にある」

第49回日本アカデミー賞授賞式が3月13日にグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催され、『国宝』の李相日監督が最優秀監督賞を受賞した。
『国宝』は歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。李監督は第30回日本アカデミー賞でも『フラガール』で最優秀監督賞・最優秀脚本賞を授賞している。
『国宝』は“総力戦“で俳優陣だけでなく、スタッフの力がスクリーンいっぱいに迸っているからこそ、多くの人の心を打つことができたと確信していると話す李監督。本当の意味での映画の作り方はまだまだ分かっていないと謙遜しながらも、「こういったものを作りたいという衝動だけはあって、いろんな人の信頼があって監督というものは存在できているんだなということを今も感じております」とチームに感謝を述べる。
『国宝』を映画化しようと思ったのは、5〜7年前のこと。その頃の世界を見て、「美しい映画を作りたいと思っていたんですね」と李監督は振り返る。「人間同士の不信や格差、信頼というものが人と人との間で揺らいでいる。人の心に棘が刺さっているような、そういう空気感があって。だからこそ美しい映画――歌舞伎という伝統芸能の舞台の美しさ、芸に対して人としてどこまでも何かを極めていくという、そういった人間だからこその美しさを描きたいと思ってこの作品に臨みました」と『国宝』が生まれた起源を李監督は明かす。
現在の世界情勢を暗に伝えながら、「人は美しいものを見たいと心の底から思っているんだなと。映画で世界を変えられるとまでは言い切れませんけど、悪い方に行く流れを踏みとどまらせる力が映画にはあるんじゃないかと思っています」「まだまだ映画で戦う価値は十分にあると思っているので、まだまだ共に戦って、映画で何か食い止めたい、と心から思っております」とスピーチした。
第49回日本アカデミー賞 最優秀監督賞
★李相日『国宝』
内田英治『ナイトフラワー』
大友啓史『宝島』
塚原あゆ子『ファーストキス 1ST KISS』
永井聡『爆弾』
©日本アカデミー賞協会






















