『新劇場版 銀魂』が証明した底力 『鬼滅』パロディから本格バトルまで貫く“銀魂節”の強度

『新劇場版 銀魂』が証明したシリーズの底力

 映画『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』が2月13日に公開された。銀魂20周年プロジェクトの集大成として、原作屈指の人気長篇「吉原炎上篇」を完全新規作画でリメイクした本作は、公開初週末3日間で動員26万2700人、興行収入4億600万円を記録。20周年プロジェクトの集大成にふさわしい、力強いスタートを切った。

 今回の映画化では、原作にはない真選組や桂の参戦、新キャラクターの投入など、オリジナル要素も多い。以下、ネタバレを含みつつ、その見どころを書いていきたい。

待たせたなァ!『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』本予告解禁|2026年2月13日(金)公開

 筆者はアラサー世代だが、当時を振り返ると『銀魂』はアニメやテレビを観ていた層にとって、かなり共通言語に近い存在だった。漫画を回し読みしていた層もいれば、アニメをなんとなく観ていた層もいたはずだ。オープンニング・エンディング楽曲の浸透度もかなり高かったと思う。高校の軽音部ではTommy heavenly6の「Pray」をコピーしたし、DOESの「曇天」はバンド初心者の定番曲として根付いている。漫画、アニメ、音楽と、いろんな入口から世代にじわじわと染み込んでいたのが、『銀魂』という作品だった。

 映画化された「吉原炎上篇」は、スリで生計を立てる少年・晴太が、地下遊郭都市「吉原桃源郷」に幽閉された母・日輪に会うため、万事屋に助けを求める物語だ。吉原を支配する夜兎族の「夜王」鳳仙との対決を軸に、月詠・神威・阿伏兎といったシリーズ後半の要となるキャラクターが初登場する、転換点的なエピソードでもある。

 まず、冒頭の鬼滅パロディに触れないわけにはいかない。開始早々、権利関係が厳しい時代にも平然とギリギリを攻めてくる“銀魂節”が炸裂する。パロやオマージュは銀魂のお家芸とはいえ、坂田銀時役の杉田智和が『鬼滅の刃』では悲鳴嶼行冥を演じていることに紐づけた、なかなか攻めた“鬼滅いじり”だ。開始数秒で場内に笑いが起こる構成は、『銀魂』という作品の自己紹介として完璧である。テロップでの遊びも含めて、「そうそう、銀魂ってこうだったよね!」と懐かしい気持ちにさせられる。近藤と桂による『君の名は。』のネタも、のちの遊郭パートでしっかり効いており、令和の観客に向けたギャグとして機能していた。

 劇場版オリジナル要素として効いていたのが、原作には登場しない真選組と桂の参戦だ。原作者である空知英秋自らもアイデアを出したこの“劇場版アニオリ”では、「とある事件を追って吉原へ潜入捜査」という設定のもと、全員が女装して遊郭に潜り込む。近藤は白粉の花魁姿、沖田はガングロギャル、山崎は令和風の今どきギャル、土方は「腐った湯婆婆」と、『千と千尋の神隠し』ネタまで投下される。

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