『九龍ジェネリックロマンス』杉田智和の色気がたまらない! 軽いのに“イケオジ”の風格

杉田智和といえば、アニメファンなら知らない者はいないほどの人気声優。その勢いはいまだに衰えていないどころか、むしろ今こそがキャリアハイではないかとすら感じさせる。というのも最近の杉田は、ただならぬ色気を醸し出す“イケオジ声優”になりつつからだ。
4月から放送が始まった2025年春アニメにおいて、杉田の持ち味が爆発している作品としては『九龍ジェネリックロマンス』が挙げられる。
同作はノスタルジックな「九龍城砦」の街を舞台に、不動産屋で働く鯨井令子とその先輩社員・工藤発のミステリアスな恋模様を描いたストーリー。工藤は現在32歳の令子よりも年上となるが、年相応の落ち着きと色気を全身から発している。
だらしなくは見えない程度に着崩したスーツ姿、普段はふざけているのにいざという時は頼りになる安心感。かと思えば、どこか過去に闇を感じさせるミステリアスな部分もある……。傍にいるだけでドキドキしそうな“イケオジ”だ。
アニメ版では杉田の声によって、そんな工藤の色気がさらに引き出されている印象。ひょうきんでありながら幼稚ではない絶妙なバランス感覚、大人の余裕を感じさせる話し方など、考え抜かれた演技を披露している。
たとえばアニメの第1話では、令子が工藤と喫茶店に訪れた際、店員から「彼女」だと勘違いされるというくだりがあった。そこで令子は「訂正しなくていいんですか? 本当の彼女さんと行ったとき、気まずいんじゃ……」と鎌をかけるのだが、普段なら冗談めかして反応しそうな工藤がここでは「お前が心配することじゃねえよ」とやさしく諭すように言う。
同作で杉田が放つ色気は、こうしてコミカルなキャラクター性を不意に裏切ってくる“ギャップ”にこそ宿っているように思われる。第2話の終盤でも、性別問わず悶絶必須の殺し文句が出てくるのだが、そこでも軽薄な日常シーンとの落差が上手く効いていた。
そもそも杉田のキャリアを振り返ってみると、コミカルさとダンディズムを合わせ持つような二面性のあるキャラクターを数多く演じてきたことに気づかされる。