2025年の年間ベスト企画
麦倉正樹の「2025年 年間ベストドラマTOP10」 最初から最後まで『べらぼう』の1年間

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』と 『対岸の家事』は、いずれもTBSの火曜ドラマ枠の作品だ。それぞれ、漫画と小説が原作のようだが、「価値観のアップデート」をテーマにしつつも、それを片意地の張らないコメディタッチで描くという意味で、いろいろと共通点も多かった。とにかく、前者の竹内涼真(『10DANCE』!)と夏帆、後者の多部未華子が、キラキラと輝いていた。
「輝いていた」と言えば、阿佐ヶ谷の平屋を譲り受けた主人公が、上京した従妹と共同生活を営む「日常系」ドラマ『ひらやすみ』の、岡山天音と森七菜の醸し出す雰囲気も、すごく良かった。終盤の展開が、思いのほかハードで少し驚いてしまったけど、これはきっと続編があるでしょう。期待しています。
石井裕也監督の『シミュレーション』も、池松壮亮や仲野太賀をはじめ(『豊臣兄弟!』)、豪華キャスト陣の好演が光っていた。10位の『あおぞらビール』は、テレ東の深夜みたいな話だったけれど、主演の窪塚愛流の底抜けの明るさが、妙に印象に残ったので最後にランクイン。
ちなみに、韓国ドラマでは『おつかれさま』(Netflix)と『ウンジュンとサンヨン』(Netflix)を熱心に観ていた。少し長いけれど、どちらもオススメです。あと、この夏急に始まった『北の国から』(フジテレビ系)の再放送。過去の名作ドラマは、配信などでアーカイブするだけではなく、地上波でもっと再放送してもいいのではないだろうか。自分はリアルタイムで大いに影響を受けた世代だけど、何気なく観始めたら、結局全部観てしまった。そこにあったのは「懐かしさ」ではなく、純粋な「面白さ」。たとえ旧作であろうと、地上波ならではの「偶然の出会い」みたいなものって、今の時代、すごく貴重なのではないだろうか。
麦倉正樹の「2024年 年間ベストドラマTOP10」 「量」よりも「質」を願いたい地上波ドラマ
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2024年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…昨年の原稿の最後に「深夜も含めて地上波で放送されるドラマの数が、あまりにも多過ぎるのではないか」と書いたけれど、そこに「地上波ドラマに、映画や海外ドラマのようなスケール感を求めている視聴者は、果たしているのだろうか?」という疑問、「制作段階で、原作者はもちろん、実在の人物がモデルになっている場合は、その関係者たちのコンセンサスは、きちんと取っておいてほしい」という切なる願いを加えて、本稿を終えることにしたい。
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』総集編
NHK総合、BSP4Kにて、12月29日(月)放送
巻之一:12:15〜
巻之二:13:05〜
巻之三:13:48〜
巻之四:14:31〜
巻之五:15:20〜
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、橋本愛、井上祐貴ほか
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
『最終回!ありがた山スペシャル ~パブリックビューイング&トークショー~』
NHK総合、BSP4Kにて、12月29日(月)16:03〜放送
出演:横浜流星、染谷将太、橋本愛、中村蒼、風間俊介、高橋克実、鈴木奈穂子アナウンサー
写真提供=NHK

























