『絶対零度』ラスト5分で明らかになった真犯人の正体 次のシーズンへ期待したい“余白”も

沢口靖子が主演を務める月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)が12月15日に最終回を迎えた。
焦点となるのは、桐谷杏子総理(板谷由夏)の娘・カナ(白本彩奈)の誘拐事件をはじめ、一連のサイバーテロの背後にいる黒幕が誰か。放送開始早々に事件の指示役として登場していた久慈幹二(池内万作)が山内(横山裕)に捕えられ、黒幕として有力視されていた佐生(安田顕)が国家か娘か、究極の決断を迫られる桐谷総理のピンチに手を差し伸べる。

それでは、黒幕は誰なのか。ラスト5分。事件の真犯人として姿を現すのは、まさかのカナ本人だった。家族としてのぬくもりをほとんど知らず、母への反発心と寂しさを抱えながら、ネットゲームにのめり込んでいったカナは、やがて国をも危機に陥れる“ゲームマスター”へと変貌してしまっていた。狂気の雄叫びを上げる娘の姿に、桐谷総理は愕然として膝から崩れていく。

桐谷総理は辞任を表明。カナは二宮奈美(沢口靖子)へと接触し、背中に銃を当てた状態で、「日本で一番大きなゲームがしたかったんだよねぇ」と犯行理由を嬉々として明かす。しかし、二宮が示すのは揺るぎない正義。そんな二宮の態度にカナは「つまんない人だね。バイバイ」とつぶやき、目の前の高層ビルを爆発させる。横断歩道の向こう側にいるカナと対峙する二宮だったが、カナはあっかんべーをしたまま消え去っていく。DICTとしては犯人を取り逃しており、カナは今後も“ゲーム”を続けていくことを想像させる、バッドエンドと言える幕切れだ。

本作の黒幕だった白本彩奈は、放送直後にインスタライブを開始。インタビュー(※)では何も話すことができず困っていたという白本は、収録時のエピソードやさりげなく張られていた伏線などを明かしている。

まず驚くのは、白本は自身が犯人になるという結末をクランクイン前の衣装合わせ時から聞いていたが、そのことを知っていたのはごく一部のスタッフのみだったということ。主演の沢口靖子からも「必ずカナちゃん、助けに行くからね」と声をかけられ、自分だけがそのことを知っていると分かったのは、収録が始まって中盤の頃だったという。また、ある種モヤモヤとする終わり方になったのも最初から決まっていたことで、綺麗に答えを出さず、どういった解釈や意見が出てもいいような終わり方にするつもりだった。さらに、カナのゲームのアカウント名は「アプリコットキラー」で、「アプリコット」は杏=母の桐谷総理を示しており、彼女が黒幕であることを仄めかしていたようだ。

第1話で山内のスマホに表示された「桜木泉」の名前をはじめ、最後まで描かれなかった部分も多々ある今回の『絶対零度』だが、振り返ればラストシーンを飾った二宮が駆けて行く姿、清水(黒島結菜)や早見(松角洋平)といったDICTの仲間とのやり取りが思い出される。その後、桐谷はどうなったのか、佐生が総理の座へと就いたのか。その描かれなかった物語は、次のシーズンへと期待したい余白である。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/12/post-2235116_2.html
『絶対零度』シリーズの第5作目。匿名・流動型犯罪に代表される「特殊詐欺」や「サイバーテロ」など、市民の身近な生活から国家の安全を脅かす大規模な犯罪まで、数々の情報犯罪に立ち向かう。
■配信情報
『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』
TVer、FODにて配信中
出演:沢口靖子、安田顕、横山裕、黒島結菜、一ノ瀬颯、馬場園梓、金田哲、松角洋平、白本彩奈、板谷由夏ほか
脚本:鈴木洋介、市東さやか、阿部凌大
音楽:KOHTA YAMAMOTO
主題歌:十明「GRAY」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
演出:田中亮(フジテレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、都築淳一(共同テレビ)、木下高男(共同テレビ)
プロデュース:成河広明(フジテレビ)
プロデューサー:足立遼太朗(フジテレビ)、髙丸雅隆(共同テレビ)、佃敏史(共同テレビ)
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
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