安田顕が『奪い愛、真夏』で感じた恋愛ドラマの楽しさ “照れちゃった”入浴シーンの心境も

2017年の金曜ナイトドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)を皮切りに、2019年に『奪い愛、夏』(ABEMA)、2021年には『殴り愛、炎』(テレビ朝日系)および『奪い愛、高校教師』(テレビ朝日×ABEMA)と展開されている『奪い愛』シリーズ。さまざまな登場人物たちが愛を奪い合う“激しくも切ないドロキュン恋愛ドラマ”として知られており、7月18日からはテレビ朝日系でシリーズ最新作『奪い愛、真夏』が放送されている。
主人公の海野真夏(松本まりか)と許されない恋に落ちてしまう空知時夢を演じる安田顕に、本格的な恋愛ドラマに出演するうえでの意気込みや、自身のこだわりなどについて語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
“いつもの延長線上”にある恋愛ドラマにおける表現
ーー恋愛ドラマへの出演経験があまりないと伺いましたが、本作にご出演された感想をお聞かせください。
安田顕(以下、安田):慣れないことって、経験を積んでいくとだんだん少なくなっていくじゃないですか。そんな中で新しいことにチャレンジできるっていうのは、まずありがたいなと思いましたし、実際に撮影もすごく楽しいです。

ーー演じるうえで、普段の演技と比較して変更した点や意識していた点はありましたか?
安田:やっていること自体はそんなに変わらないんですよ。その人物がどういう人間で、何を感じて、どういう芝居をするか。そのバックボーンがあってこその行動であって、それってジャンルが恋愛であれ何であれ、根本的には一緒なんです。だから、恋愛ジャンルでも“今までやってきたことの延長線上”にあるんだなという発見もありました。ただ、アプローチの仕方は変わらなくても、ラブシーンとなると色気のある所作が求められたりするので、そこは監督の演出のもとでやらせていただきました。やっぱり楽しいですね。
ーー今回は空知時夢と大浦隼人の2役を演じられていますが、演じ分けで意識された点がありましたら教えてください。
安田:今のところ隼人はちらっとしか登場していないんですが、明確な演じ分けというよりは、その延長線上にある感覚ですね。声のトーンや目つきなど、自分なりに上乗せしている部分はありますけど、やっぱりベースは衣裳さん、メイクさん、美術、照明、カメラなど、スタッフの方々の総合的な力でできている。俳優が「すごい演技」と言われるときも、そうした周りの支えがあってこそだと感じています。

ーー時夢の妻である未来を演じる高橋メアリージュンさんとご共演してみていかがでしたか?
安田:間違いなく未来という存在は、この物語の大きなキーパーソンだと思います。彼女が背負っている“びっくり玉手箱”的なドロキュン要素が視聴者にとっての楽しみである一方で、彼女の役が持つ痛みや悲しみをちゃんと抱えて演じている。そこがすごく素敵だと思いました。
ーー未来とのシーンでは息の詰まるようなやりとりが多く、時夢の未来に対する疲れがうかがえました。
安田:脚本ではそういうふうに描かれていますけど、僕は「本当は結婚したくなかったけど仕方なく(結婚を)した」とは思いたくないんです。この夫婦には子どもがいない。子どもを求めているけど、なかなか恵まれない。そうした状況に対する責任感やプレッシャーが、彼に重くのしかかっているんだと思います。

ーー時夢が冷酷で非協力的というわけではなく、夫婦間で齟齬があるという印象ですね。
安田:そうです。それぞれにいろんな思いがある中で、ひとつの家庭を何年もかけて築いてきた。だから辛いし、それぞれが痛みを抱えているんですよ。そのうえで、メアリージュンさん演じる未来の行動が生まれているんだ、という過程を想像していないと、ただの“びっくり”になってしまう。そういう意識を持って臨んでいます。



















