『あんぱん』最終回を見る回に松嶋菜々子が登場 演出・柳川強による撮影秘話も

松嶋菜々子『あんぱん』最終回を見る回に登場

 9月26日に最終回を迎えた2025年度前期NHK連続テレビ小説『あんぱん』。NHK高知放送局主催による「最終回を見る会」が同日、高知県立県民文化ホールで開催された。

 『あんぱん』は、高知県出身の漫画家・やなせたかしと妻・暢夫妻をモデルにした物語。会場には嵩(北村匠海)の母・登美子を演じた松嶋菜々子、脚本を手がけた中園ミホ、チーフ演出の柳川強エグゼクティブ・ディレクターが登壇し、約1300人の来場者とともにフィナーレを迎えた。

 松嶋は、「最終週まで演じることができて、本当にうれしかった」と笑顔。嵩の母として“ストレートに物を言う”役柄について、「どのセリフも迷わず、気持ちよく言い切ることができました」と語った。

 脚本の中園は、やなせ夫妻への敬意を込めて「最終回にはやなせさんのエッセイの言葉をちりばめた」とコメント。「『アンパンマン』が体現するメッセージは、全てやなせ哲学」と語り、多くの視聴者にその思いが届くことを願った。

 演出を務めた柳川は、8分を超えるクライマックスシーンについて「本番1回で撮影した」と明かし、「緊張感の中で1年間を生きた役者たちの思いが出た」と振り返った。

コメント

松嶋菜々子(登美子役)

今田美桜さんには「1年間、本当にお疲れ様でした」という思いでいっぱいです。現場では、いつも明るく頼りがいのあるヒロインだったので、安心して見守っていました。
登美子のストレートな発言は役柄として必要なもので、どのセリフも迷わず、気持ちよく言い切ることができました。中園さんが描かれるキャラクターは、言いたいことをズバッと口にするはっきりした人物が多いので、登美子が毒舌をはかない場面では、少し物足りなさを感じることもありました(笑)。
間違っていると思えばオブラートに包まず発言する点は、のぶさんとも重なる部分でしたし、嵩(北村匠海)が母親に似た人を好きになるという細やかな演出も、とても好きでした。最終週まで登美子を演じることができて、本当にうれしかったです。

中園ミホ(脚本)

最終回についてはやなせたかしさんのエッセイの中で書かれている言葉をたくさん散りばめていて、のぶが新聞記者のインタビューに答えているシーンも、暢さんの言葉そのものです。やなせ夫妻は、本当にドラマで演じられたような夫婦だったんじゃないかなと思っています。
やなせたかしさんの作品は、みんなが知っている優しい言葉を使っていますが、この作品を描いてやっと言葉の奥にある深い感情が分かった気がしました。「アンパンマン」が体現するメッセージは、全てやなせ哲学だと思っています。この作品を見てくださった多くの人たちに知ってもらえたらと願っています。そして、ひとかけらのパンを待っている子どもたちのことを考えていただけたら嬉しいです。

柳川強(チーフ演出)

高知の皆さんの熱狂を感じつつ最終回を見ることができました。いろんな想像力を最終回の最後の青空に託しました。高知で見ると、高知の空にアンパンマンが飛んでいる感じがしました。
のぶと嵩が話す8分を超えるシーンに関しては、本番1回で撮りました。芝居を固めるのが嫌で、リハーサルもしませんでしたが、今田美桜さんと北村匠海さんと相談したところ、お二人とも「リハーサルはなしでいい」ということでした。本番1発勝負の方が、緊張感もあり、2人も1年間のぶと嵩として暮らしてきた思いもでてくるので、このような撮影にしました。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』特別編
NHK総合にて、9月29日(月)~10月2日(木)(全4回)23:00~23:25放送
9月29日(月)第1回「健ちゃんのプロポーズ」(15分)主人公:辛島健太郎(高橋文哉)
今田美桜、髙石あかり対談(10分)
9月30日(火)第2回 「メイコの初舞台」(15分)主人公:辛島メイコ(原菜乃華)
河合優実×原菜乃華×高橋文哉×大森元貴による座談会(10分)
10月1日(水)第3回「男たちの行進曲」(15分)主人公:いせたくや(大森元貴)
今田美桜×北村匠海による対談 前編(10分)
10月2日(木)第4回「受け継ぐもの」(15分)主人公:中尾星子(古川琴音)
今田美桜×北村匠海による対談 後編(10分)
写真提供=NHK

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