妻夫木聡、『あんぱん』出演の背景を明かす 北村匠海は「心に熱いものを持っている」

NHK連続テレビ小説『あんぱん』で八木信之介役を担当する妻夫木聡のインタビューコメントが公開された。
朝ドラ第112作目となる本作は、『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルとした勇気の物語。実在の人物である2人をモデルとするが、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれる。脚本は、NHK連続テレビ小説『花子とアン』、NHK大河ドラマ『西郷どん』などを手がけた中園ミホが手がけた。
妻夫木が演じるのは、戦時中、嵩(北村匠海)が所属していた小倉連隊の上等兵・八木信之介。軍隊になじめない嵩を気にかけ、折にふれ助け舟を出していた。戦後、闇市で闇酒を売りながら、戦災孤児たちに食べ物を与えたり本を読んであげたりしていたところで嵩と再会。その後、「九州コットンセンター」を設立し、のぶ(今田美桜)と嵩の人生に大きな影響を与えていく。
『あんぱん』への出演について妻夫木は、「昔、ラジオドラマでご一緒したチーフ・プロデューサーの倉崎さんとロサンゼルスで久々に再会し、『あんぱん』に出てほしいというオファーをいただきました。朝ドラに出ることは俳優としての目標だったので、すごくうれしかったですね」と振り返る。「いざ台本があがって、八木のキャラクターと対峙したときに、一見厳しく見えるけれど、すごく冷静に嵩の才能や人間性を見つめていて。嵩を陰で支える八木の姿勢に、僕も共感できましたし、これならば最後まで皆さんと共に戦い抜けるという確信が持てました。物語としても、人々に希望を与えるお話だと思いますし、そんな作品に携わることができて、本当に幸せです」と心境を述べた。
自身が演じた八木について妻夫木は、「静かに本質を見極められる人ですね。生きていると雑念だらけですが、その中で無駄を省いて、あるべきものだけと向き合おうとしている。そのストイックさと繊細さが、僕はすごく好きです。彼が向き合ってい る世界は孤独だけれども、どこか憧れる部分があります。きっと、彼は彼なりに『生きるって何だろう』というのを、ずっと自問自答していて。嵩とはまた違ったやり方で、彼なりの答えを見つけようとしているのではないでしょうか。その答えを探す中で、“だれかが喜んでくれることが自分の喜び”という思いに至ったんじゃないかな、と想像しています」とコメント。
嵩役の北村匠海については、「いつもフラットで、力が抜けていて、僕は彼のたたずまいが大好きですね。役をどう演じるかということではなく、もう嵩としてそこに存在しようとしている。そんな匠海のお芝居がすばらしいなと思いますし、自然に引き込まれて感動する場面がたくさんあります」と語った妻夫木。過去に共演した際を振り返り、「昔、『ブタがいた教室』という映画で共演したときは、僕が教師役で、匠海は生徒役。当時、匠海は小学校4年生でした。僕は次に彼とお芝居をするときには、彼の演じる役を支えるような役がいいなと思っていたので、今回その願いが形になって、本当に感慨深いです。静かだけれども、心には熱いものを持っている。そんな彼の魅力が、今回の役に反映されていて、僕もすごくうれしいですね」と感慨深げに語った。
さらに、第21週で八木が戦争で家族を亡くした過去が明かされたことについて妻夫木は、「もともと演出の方から、そういった背景は聞いていました。八木は、大事な家族を失ったからこそ、目の前にある命の尊さを感じていて。少しでも支えになれるのであれば、自分はいくらでも犠牲になろう。そんな思いで、ガード下の戦災孤児たちを助けていたのだと思います。さまざまな経験を経て、新たに会社も設立しましたし、今後八木がどういったものを人々に届けていくのか。僕も楽しみにしています」と期待を込めた。
妻夫木聡(八木信之介役)コメント
『あんぱん』の出演が決まったときの経緯と気持ち
昔、ラジオドラマでご一緒したチーフ・プロデューサーの倉崎さんとロサンゼルスで久々に再会し、『あんぱん』に出てほしいというオファーをいただきました。朝ドラに出ることは俳優としての目標だったので、すごくうれしかったですね。いざ台本があがって、八木のキャラクターと対峙したときに、一見厳しく見えるけれど、すごく冷静に嵩の才能や人間性を見つめていて。嵩を陰で支える八木の姿勢に、僕も共感できましたし、これならば最後まで皆さんと共に戦い抜けるという確信が持てました。物語としても、人々に希望を与えるお話だと思いますし、そんな作品に携わることができて、本当に幸せです。
自身が思う八木の人物像
静かに本質を見極められる人ですね。生きていると雑念だらけですが、その中で無駄を省いて、あるべきものだけと向き合おうとしている。そのストイックさと繊細さが、僕はすごく好きです。彼が向き合ってい る世界は孤独だけれども、どこか憧れる部分があります。きっと、彼は彼なりに「生きるって何だろう」というのを、ずっと自問自答していて。嵩とはまた違ったやり方で、彼なりの答えを見つけようとしているのではないでしょうか。その答えを探す中で、“だれかが喜んでくれることが自分の喜び”という思いに至ったんじゃないかな、と想像しています。
戦争シーンで感じたこと
「弱い者が戦場で生き残るには、ひきょう者になることだ」という八木のセリフもありましたが、やっぱり生きていることが全てなんじゃないかと思うんです。どんなに無様でもいい。生きていれば報われると。嵩から似顔絵をもらったシーンでは、戦争に翻弄されて自分の中で失いそうになっていた清らかな部分を、その瞬間、嵩に引き戻してもらった感覚がありました。八木にとって嵩は、昔の自分を映す鏡のような存在だったんじゃないかな。だから、彼を放っておけなかった。嵩に向けて言っていた言葉は全て、自分に向けて言っていたような気がします。
八木は嵩をどのように見ていると思うか、嵩役の北村匠海の印象
八木はあまのじゃくなので、素直に感情を表現できない人間ですが(笑)、再会できてやっぱりうれしかったと思います。何よりもうれしかったのは、嵩が変わっていなかったこと。おっちょこちょいなところも含めて、彼のずっと持っているピュアさというのは魅力的ですし、八木にはないものを持っていることが、少し羨ましくもありますね。僕は、嵩って意外と周りの人をどんどん輝かせていく人物だと感じていて。こういうピュアな人間が、世の中を明るくしていくんじゃないかなと思います。
匠海は、いつもフラットで、力が抜けていて、僕は彼のたたずまいが大好きですね。役をどう演じるかということではなく、もう嵩としてそこに存在しようとしている。そんな匠海のお芝居がすばらしいなと思いますし、自然に引き込まれて感動する場面がたくさんあります。昔、『ブタがいた教室』という映画で共演したときは、僕が教師役で、匠海は生徒役。当時、匠海は小学校4年生でした。僕は次に彼とお芝居をするときには、彼の演じる役を支えるような役がいいなと思っていたので、今回その願いが形になって、本当に感慨深いです。静かだけれども、心には熱いものを持っている。そんな彼の魅力が、今回の役に反映されていて、僕もすごくうれしいですね。
第21週で八木が戦争で家族を亡くした過去が明かされたことについて
もともと演出の方から、そういった背景は聞いていました。八木は、大事な家族を失ったからこそ、目の前にある命の尊さを感じていて。少しでも支えになれるのであれば、自分はいくらでも犠牲になろう。そんな思いで、ガード下の戦災孤児たちを助けていたのだと思います。さまざまな経験を経て、新たに会社も設立しましたし、今後八木がどういったものを人々に届けていくのか。僕も楽しみにしています。
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、高橋文哉、眞栄田郷敦、大森元貴、戸田菜穂、戸田恵子、浅田美代子、吉田鋼太郎、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子ほか
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK























