『あんぱん』“東京編”での再会に期待! 高橋文哉、松嶋菜々子ら記憶に残る名キャラたち

『あんぱん』“再登場”を期待するキャラたち

 のぶ(今田美桜)が高知新報を退社し、鉄子(戸田恵子)のもとで働き始めたNHK連続テレビ小説『あんぱん』。いよいよ“東京編”が本格化してきた。物語の舞台が高知から東京へ移った今、物語の節目でふと気になってくるのが、前半に登場し、強い印象を残しながらも物語から姿を消した人たちの存在だ。

 八木(妻夫木聡)や屋村(阿部サダヲ)のように、記憶の中にいた人物が“ある日ふと”帰ってくるのが『あんぱん』の魅力でもあるだけに、「次に戻ってくるのは誰?」と期待が高まるのも当然の流れ。今回はそんな“再登場が待たれる”キャラクターたちの現在地と、戻ってきたらどうなってほしいかを勝手に妄想してみたい。

柳井登美子(松嶋菜々子)

 嵩の実母・登美子(松嶋菜々子)といえば、「死んだらダメよ! 生きて帰ってきなさい!」という名セリフで、視聴者に強烈な印象を残した人物。8年ぶりに柳井家へ舞い戻ったかと思えば、あっという間に再婚相手と離縁して再び家を飛び出すという破天荒ぶりで、「一体何しに帰ってきたんだ」と思わずツッコミたくなる展開だった。

 けれど、ただの“毒親”に終わらせないのが『あんぱん』だ。演じる松嶋菜々子がインタビューで語っていたように、登美子は「捨てたつもりはなかった」人であり、自分の人生を立て直すことに必死だっただけとも言える(※1)。確かに時代背景を考えれば、あの時代を女手ひとつで生き抜くのは並大抵のことではなかったはずだ。

 今後もし再登場があるのであればどのような形で登場するのか。家族としてやり直すのか、それともまた波乱を巻き起こすのか。のぶとの関係も含めて、物語の空気がどう変わるのかが気になるところ。視聴者としては、母と子がただ分かり合うだけでは終わらない、もう一ひねりある展開を期待してしまう。

座間晴斗(山寺宏一)

 「銀座に行け」という一言で嵩の背中を押し芸術学校の恩師・座間(山寺宏一)。戦前の厳しい時代にあって、型にはまらない自由な精神を教えてくれた人で、銀ブラを通して「本物の芸術とは何か」を体験させてくれた名物教師だった。演じるのは、ベテラン声優の山寺宏一。演技にも声にも説得力があって、「こういう先生、学校に1人いてほしかった」と思った人も多いのではないだろうか。

 そんな座間先生は、嵩の出征に伴ってフェードアウト。嵩の芸術人生に大きな影響を与えた人物であることは間違いないのに、戦後は一切登場していない。そのため、東京で創作に行き詰まる嵩に再び“自由とは何か”を教えてくれる存在として、再登場を望む声が多い。特に、漫画家として本格的にデビューするにあたり、商業と芸術の狭間で揺れる嵩にとって、座間先生の言葉は何よりの救いになるはず。

 ちなみに山寺といえば、『アンパンマン』のジャムおじさんやめいけんチーズの声でもおなじみ。『あんぱん』というタイトルの朝ドラで彼が嵩の恩師というのも、偶然とは思えない配役。嵩が“人を救うヒーロー”の物語を描くうえで、座間先生はまさにその原点をくれた人物だ。

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