松嶋菜々子、『あんぱん』登美子役で大切にしたことは? 「発想が少し独特なのかな」

松嶋菜々子、『あんぱん』登美子役を語る

 NHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演している松嶋菜々子のインタビューコメントが公開された。

 朝ドラ第112作目となる本作は、『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルとした勇気の物語。実在の人物である2人をモデルとするが、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれる。脚本は、NHK連続テレビ小説『花子とアン』、NHK大河ドラマ『西郷どん』などを手がけた中園ミホが担当する。

 松嶋が演じるのは、文化的な教養が豊かであり、美しく勝ち気で利発な嵩(北村匠海)の母・登美子。嵩が幼い頃に夫の清(二宮和也)を亡くしており、奔放な振る舞いで、嵩を翻ろうする。

 松嶋は登美子を演じる上で大切なことは“心の揺れを理解すること”だと考える。

「北村さんの母親役は2度目なのですが、今回はまた違った性格の母親なので、ご一緒できるのが楽しみでした。北村さんはすごく落ち着いていて、どっしり構えている方で。本当にこんな息子がいたらいいのになぁと思っています。登美子は、発想が少し独特なのかなと思います。子どもへの愛情がありながらも、自分の人生に迷いがあったり、葛藤を抱えていたり……。演じる上では、そうした心の揺れを理解することが大切だと感じています。実際、嵩のモデルであるやなせさんの母親も、息子たちを残して姿を消したと聞きました。そうした複雑な背景を持ちながら“アンパンマン”という作品を生み出したやなせさんにとって、母親は影響力のある存在であり、発想の源だったのだろうなと。登美子の突然現れては周囲を振り回し、またいなくなってしまうという設定だけをとるとどこか冷たく感じるかもしれません。けれど、嵩に対しては母親の愛情をきちんと伝えられるよう、丁寧に演じていきたいと思っています」

 登美子の元へ嵩が会いに行くシーンは様々な想像をしながら演技に臨んだという。

「どういう塩梅で演じようか迷った部分ではありました。スタッフの方たちとは、夫である清さんを早くに亡くしたことで、ぽっかりと空いた穴を埋められず、それを埋めるための愛情を求めているのではないか、だから自分のことで精一杯なんじゃないかとお話しして。とはいえ、時代的にも、より子どもが幸せになるのであれば、置いていくことも子どもたちにとっては最良の選択であり、そこになじんでほしかったからずっと連絡を取らなかったんじゃないかとか。いろいろ想像しながら臨みましたね」

 のぶ(今田美桜)に思いをぶつけられるシーンでは、崇のセリフの方が響いたと明かす。

「どういう反応をしていいのか分からなかったですね。のぶちゃんに責められたことよりも、嵩が言った『のぶちゃんは、母親に捨てられたことないだろ』という言葉のほうが心に響きました。捨てたつもりはなかったので……。でも、のぶちゃんに言葉を返さなかった登美子を通して思うのは、自分の行動を全部説明できなくてもいいのかなと。気持ちの整理って全部が全部ついていなくてもいいんじゃないかなと思いましたね」

 最後に、嵩を医者にするために登美子が後押しをしていたことについて振り返り、「自分と清さんの子ならできると信じる気持ち。寛先生や千代子さんに恩返しをしたいという気持ち。自分の居心地をよくしたいという気持ち。たぶん全部本当の気持ちで、言ったことがそのままの人なのかなと。周りから見たら支離滅裂だったり、言動に驚かれたりするかもしれませんが……。それでも嵩は、どんな時もやさしく受け入れてくれるんですよね。いつも振り回してしまいますが、会うたびに、少しでも嵩が“母のやさしさ”を受け取れる瞬間があるように、表現していけたらいいなと思います」と思いを語った。

『あんぱん』松嶋菜々子
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■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、志田彩良、二宮和也、瀧内公美、山寺宏一、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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