『奪い愛』シリーズがヒットした理由を紐解く　鈴木おさむによる“ドロキュン劇場”にも注目

　そもそも2017年の『奪い愛』シリーズのスタートラインにおいても、この“飛ばし”の要素は企画のコアにあったといっても過言ではない。鈴木はインタビューで「『奪い愛、冬』のプロデューサーから『おさむさんって変なことを考えるの得意じゃないですか』って言われたんですよね。『このドラマは不倫ドラマなんですけど、変なことがたくさん起きるドラマにしたいんですよ』って。『それを役者に真面目に演じさせたい』って」と語っている（※2）。

　ただの不倫ものや愛憎劇ではなく“飛ばしありき“でスタートした企画であり、だからこそ放送作家である鈴木に託されたのだ。

　長きに渡って『SMAP×SMAP』（フジテレビ系）を担当し、他にも『クイズプレゼンバラエティQさま!!』（テレビ朝日系）、『今すぐ使える豆知識 クイズ雑学王』（テレビ朝日系）、『いきなり！黄金伝説』（テレビ朝日系）など数多くのバラエティ番組を手がけてきた鈴木。その放送作家として培われたスキルとセンスがあったからこそ、“変なこと”がたくさん起きる予測不能なストーリーテリングや、快演を生み出す強いキャラクターを作り上げられたのであろう。

　本作に主演する松本まりかは『奪い愛、夏』『奪い愛、高校教師』に続き、シリーズ3度目の出演となる。「おさむさんの“常人では考えられないようなアイデアの数々”を、役者がどう演じるのか……。視聴者の皆さんが面白いと思ってくださるかどうかは、私たちの力量にかかってくると思うので、しっかりと考えながら取り組みたいです」（※1）とコメントしている。果たして本作ではどんな“松本まりか”が立ち現れるのだろうか。

　また、シリーズ初参戦となる安田顕。恋愛ドラマへの出演はほとんどなく、自分史上最大の“モテ男”役とのことだが、単に“モテ”だけで着地するはずがないのが鈴木脚本。安田がどんな“振り切りっぷり”を見せるのか、大いに期待したいところだ。

　これまでの『奪い愛』シリーズを作ってきた同一チームで臨む本作。金曜ナイトドラマ枠の4月クール作品『魔物（마물）』に続いて再びセンセーショナルな話題を振りまくことができるか。ジェットコースターな展開を振り落とされないよう見届けたい。

参照
※1. https://realsound.jp/movie/2025/06/post-2046970.html
※2. https://www.advertimes.com/20240603/article460871/

■放送情報
金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』
テレビ朝日系にて、7月18日（金）スタート 毎週金曜23:15～24:15放送
出演：松本まりか、安田顕、高橋メアリージュン、森香澄、白濱亜嵐、石井正則、石山順征、谷原七音
脚本：鈴木おさむ
演出：樹下直美、上田迅
ゼネラルプロデューサー：横地郁英（テレビ朝日）
プロデューサー：川島誠史（テレビ朝日）、神通勉（MMJ）、小路美智子（MMJ）
音楽：沢田完
制作：テレビ朝日、MMJ
©テレビ朝日
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