映画館でいま体感したい長岡花火 「空襲を思い出す……」それでも花火を上げ続けた理由

復興のシンボルとしての長岡花火
『この空の花 長岡花火物語』は、主人公の地方記者が、中越地震を乗り越え、東日本大震災の被災者をいち早く受け入れた長岡を取材のために訪れるという形で始まる。
長岡花火は、長らく空襲の悲劇を後世に伝える役割を担ってきたが、そこに「災害からの復興」を象徴する要素が加わったのは2005年からのことだ。その前年、新潟中越地震によって長岡市は甚大な被害を受けたが、2005年には早くも復興を祈念した花火「フェニックス」の打ち上げが行われている。

その花火の名前には、空襲や震災に負けずに何度でも立ち上がる長岡市民の想いが込められている。空襲と震災、幾多の苦難を乗り越えようという願いを込めて打ち上げられているのが、長岡花火なのだ。ただ、大きくて派手なだけではない、その想いが長岡花火を特別なものにしているのだろう。
大林監督は、前述した著書の中で「散開」という言葉を紹介している。火薬を下から打ち上げて散開させるか、上から下に落として散開させるか、そこには明確な違いがあるのだと大林監督は言う。
「花火は下から打ち上げて、空で散開して、祈りの花火になるのですが、同じ火薬を上から落とすと、爆弾になってしまう。戦争による爆弾は敵を滅ぼし、経済を生むので、世界は花火より爆弾のほうが多い。しかし、人間に爆弾をつくる力も花火をつくる力も同等にあるならば、爆弾ではなくて、花火をつくる方向に向かおうというのがこの映画のテーマなんです」

今では長岡花火大会は日本を代表する年中行事となり、そのチケットは入手困難となっている。長岡市は爆弾ではなく、花火によって地域経済を支えていると言っていいだろう。人間に花火でお金を生む力があるのなら、それは破壊をもたらす爆弾ではなく、人々に感動を与える花火であるべきではないだろうか。
その祈りが込められた散開を、より美しく心にとどめておくには、テレビ中継よりも映画館がおすすめだ。戦後80年に、下から上に向けて打ち上げられ、夜空を輝かせる花火に平和の大切さを感じてほしい。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/06/post-2068965.html
■公開情報
「2025 長岡まつり大花火大会ライブビューイング」
販売料金:一般3,000円、高校生以下1,500円(税込・全席指定)
販売サイト:チケットぴあ(https://w.pia.jp/t/nagaokamatsuri-relay/)
【販売スケジュール】
プレリザーブ(抽選):7月21日(月・祝)23:59まで
一般販売:7月26日(土)~7月31日(木)23:59まで
※残席がある場合のみ、8月2日(土)より各劇場にて販売
【2025長岡まつり大花火大会ライブ中継 プレリザーブ受付劇場一覧】
https://nagaoka-hanabi-movie.jp/





















