『DOPE』髙橋海人×中村倫也の凸凹バディは間違いない! 異能力×アクションが生む新感覚

『DOPE』異能力×アクションが生み出す新感覚

 やはり気になるのは、“相性最悪のバディ”と紹介されている才木と陣内がどうやって事件に向き合い、解決に導いていくのかという点だ。何事にもまっすぐに向き合い、DOPE服用者にも更生の機会を与えるべきだと考える才木と、DOPE服用者は更生不可能、排除するべきだと冷酷ともいえる考えを持つ陣内。真逆の価値観を持つ二人は初めての現場でさっそく対立する。

 髙橋は新人らしい熱意や未熟さ、才木が家族に対して抱く責任感のようなものを等身大の演技で見せ、「未来予知」という異能力を持つ主人公の伸び代とドラマ性を感じさせる。対する中村からは、特捜課随一の戦闘力を持つ陣内の強者感、DOPE服用者に対する強い憎しみがひしひしと伝わってきて、2人のやりとりを見ているこちらまで緊張してしまう。

 だが、普段の陣内が見せるゆるい態度やふとしたところで感じられる優しさ、回想シーンのギャップで一気に心を掴んでくるのが憎い。才木も、熱意だけで突き進むのではなく、陣内について調べ、理解できないなりに自分の力で意地を通そうとする、真面目で真摯なところが好印象だ。 

  また、舞台挨拶で三浦が「たくさんのテーマがある重厚な作品」と話していたように、第1話の時点で、DOPEに関する謎、才木・陣内のバディがこれからどうなっていくのか、白鴉の目的、特捜課メンバーそれぞれの家族の物語など、気になるポイントが盛りだくさん。変装が得意で神出鬼没と紹介されているジウ(井浦新)は第1話でも複数の変装を披露しており、第2話以降のバリエーションも楽しみにしたいところだ。 

  そして、特捜課課長・葛城の父としての悲喜交々、柴原や山田(フェルナンデス直行)の愛嬌あるキャラクターなど、コミカルなシーンも適度に挟まれる。単にお茶目なシーンというだけではなく、異能力を大切な人に隠して生きている苦労、平穏な日常の幸せも感じられ、緩急のついた構成になっていた。 

  舞台挨拶で、髙橋が「純粋にワクワクできて先が気になる作品になったと思うし、関わる全員の本気度が映像に表れていると思う」、中村が「少しダークでメッセージ性があり、人間ドラマも抜け感もある能力バトルという、フィクションの良さが詰まっている作品」と語っていたが、その言葉に納得できる満足感と期待を残してくれた第1話。相性最悪なバディと特捜課メンバーが描き出すドラマに大いに期待したい。

新木優子が髙橋海人と豊田裕大の“虫探し”を暴露 中村倫也は「カットの時に必ずボケる」

7月4日よりTBS系で放送がスタートする金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』は、髙橋海人と中村倫也がW主演を務めるアクション…
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金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』

木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作を実写化した麻取アクション・エンターテインメント。謎に包まれた新型ドラッグ“DOPE”が蔓延している近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく。

■放送情報
金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
TBS系にて、7月4日(金)スタート 毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、忍成修吾、入山法子、佐野和真、蒼戸虹子、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一
演出:鈴木浩介ほか
プロデュース:長谷川晴彦、佐藤敦司
音楽:内澤祟仁
主題歌:Uru「Never ends」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
編成 :杉田彩佳、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
公式X(旧Twitter):@dope_tbs
公式Instagram:@dope_tbs

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