『賢いレジデント生活』チョン・ジュンウォンら “ハマり役”で人気になった韓国スターたち

“ハマり役”で大人気になった韓国スターたち

 日本でも大ヒットを記録した『梨泰院クラス』からは、アン・ボヒョンの名も挙げられるだろう。主人公のセロイ(パク・ソジュン)をいじめていた同級生で、セロイの父親の仇でもあるグンウォンを演じて一躍注目を集めた。オールバックに鋭い目つきで悪態をついてくる姿に誰もが沸々と怒りを感じただろうが、それほどはまり役だったとも言える。アン・ボヒョンはボクシングをやっていたが、大学時代からモデルへ転向し、その後は俳優として様々な作品にも出演。振り返ってみると『太陽の末裔』にもメインキャラクターではないが、端役ながらセリフのある役を演じた。そんな期間を経て、2020年に32歳で大ブレイク。『ユミの細胞たち』『軍検事ドーベルマン』『生まれ変わってもよろしく』『財閥x刑事』などでメインキャストを演じるまでになり、悪役だけでなく不器用な役柄やコミカルな役柄まで、幅広く演じる役者となった。

『梨泰院クラス』(JTBC公式サイトより)

 筆者のお気に入りの俳優キム・ソンホも『スタートアップ:夢の扉』で演じたスタートアップ企業のメンター・ジピョン役で人々の心を掴み、映画・ドラマ俳優としての存在感がさらに増すことになった。大人な雰囲気が役柄にぴったりはまっていたキム・ソンホだが、ダルミ(ペ・スジ)への淡い恋が報われなかったことで、心を痛めた視聴者も少なくなかった。『スタートアップ:夢の扉』の後はすぐに『海街チャチャチャ』に出演し、ホン班長役でも人々に癒しを与えてくれたのも記憶に新しい。少しの休業を経て、映画『貴公子』やドラマ『おつかれさま』、そして福士蒼汰と共演予定の『Can This Love Be Translated?(英題)』の公開も控えるなど、こちらもトップスターという名にふさわしいキャリアを築き上げた。

『海街チャチャチャ』Netflixにて独占配信中

 最後に挙げたいのは、MBC演技大賞で8冠を受賞し話題になったドラマ『赤い袖先』に出演し、30歳で大ブレイクを果たしたカン・フンだ。彼は同作で、世孫でのちの正祖となるサン(イ・ジュノ)に仕えるドンノを演じた。サンとドギム(イ・セヨン)が心を通わせる様を描く物語だが、ドンノの存在が2人の関係性に大きく作用してくる。美男と噂されるが、サイコパスのような一面もあって、目が離せないキャラクターだ。『赤い袖先』の後に出演した『シスターズ』『いつかの君へ』『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』でも、キャラクターごとに“優しさ”を演じ分けていて、彼が醸し出す雰囲気があってこそ演じられるものばかりだった。

 ここに挙げた以外にも、ある作品を通して大ブレイクを果たした人はまだまだ沢山いることだろう。今年はどんな作品を通して、どんな俳優がスターとなっていくのか。また、彼らの辿る道を見るのが楽しみだ。

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