竹内涼真は“爽やかイケメン”からいかに進化したのか “演技派俳優”に至るまでの道のり

竹内涼真が“演技派俳優”に至るまでの道のり

 6月21日にテレビ朝日系ドラマプレミアム『看守の流儀』が放送される。本作の原作は、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家・城山真一によるヒューマンミステリーだ。石川・金沢にある加賀刑務所を舞台に、さまざまな事情を抱えた受刑者たちと彼らの更正に全力を尽くす刑務官たちの姿をとおし、希望と再生を描く。 

 このドラマで、竹内涼真は主人公の情熱あふれる若き刑務官・宗片秋広を演じる。宗片は、受刑者たちを信じ「彼らに生きる希望を与えることが使命」という自身の流儀を貫く、情熱あふれる刑務官だ。ある夜、宗片が一人の受刑者にかけた“ささやかな温情”が、刑務所の体制をも揺るがしかねない大事件を引き起こすこととなる。“情熱あふれる”“生きる希望を与える”など、熱い心を持った宗片という役は、まさに竹内にうってつけと言えるであろう。

 竹内は、2013年に女性ファッション誌によるメンズモデルオーディション「minaカレ グランプリ」にてグランプリを受賞したことをきっかけに芸能界デビュー。そして2014年、“若手俳優の登竜門”と言われる『仮面ライダードライブ』(2014年/テレビ朝日系)に出演し、バイクではなく車を相棒とする異質のライダー・泊進ノ介を演じた。ここから彼の躍進劇がスタートする。

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 爽やかなルックス、愛嬌のある笑顔、そして185cm超という高身長。さらにはサッカー推薦で大学進学していたほどの身体能力を持つ竹内は、あっという間にアイドルのような人気を博すこととなった。

 その後に出演した『下町ロケット』(2015年/TBS系)や映画『帝一の國』(2017年)での演技も話題となったが、知名度が一気にアップしたのはNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』(2017年度前期)だろう。慶應大学へ通う好青年・島谷役に抜擢され、主人公・みね子(有村架純)とのやり取りで見せる初々しい姿が好評を博した。

 “爽やか”、“好青年”、“キュンとする笑顔”がその頃の竹内を表すキーワード。その極みとなったのは『過保護のカホコ』(2017年/日本テレビ系)である。主人公・カホコ(高畑充希)に手厳しくダメ出ししつつも、実は成長を見守る心の温かい青年・麦野を演じて話題となった。粗野な振る舞いなのにどうにも“メロさ”が溢れ出てしまう、多くの視聴者を魅了するツンデレの “麦野くん”が完成したのは、竹内が演じたからこそであろう。

 竹内はその後も多くの作品に出演していく中で、“甘いルックス”、 “高身長”など表層的なキーワードを軽々と突き抜け、“演技派”としてのポジションを不動のものにしていく。

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 『テセウスの船』(2020年/TBS系)では主人公で殺人犯の息子・田村心を熱演。父親が事件を起こす直前の平成元年にタイムスリップしたことから、“未来を変える”ために奮闘し、狡猾な罠を仕掛ける真犯人と心理戦を繰り広げていく。“家族愛”の深さを感じさせる竹内の真っ直ぐな演技が評価され、第104回ドラマアカデミー賞では主演男優賞に輝いた。

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